【授業概要】
・テーマ
材料塑性学では,材料力学の発展的な内容である塑性力学と,ものづくりに必要な塑性加工プロセスを学ぶ.具体的には,材料が単軸や多軸の外力を受けた時の応力とひずみを解析できる基礎力を養い,降伏条件や弾塑性構成式を習得する.そして,塑性力学を活用した塑性加工プロセスを理解する.
・到達目標
本科目では以下の項目を到達目標とする. 1.応力とひずみの概念を理解できる. 2.二次元の応力とひずみ,降伏条件を解析できる. 3.塑性加工プロセスについて説明できる.
・キーワード
引張・圧縮・せん断応力とひずみ,弾性と塑性,加工法 真応力と真ひずみ,降伏条件,塑性構成式,塑性加工,素材製造
【科目の位置付け】
機械システム工学科の学習・教育到達目標(H)「実践的工学:材料・構造工学分野の専門知識」(重み1.0)を養成する科目である.
【授業計画】
・授業の方法
90分×15週の講義を行う.講義内容の理解を深めるために,レポートを課す.
・日程
第1回 講義の概略と一次元の公称応力,公称ひずみ [予習]金属の結晶構造やすべり変形について調べておく. [復習]練習課題を解き,レポートとして提出する. 第2回 真応力と真ひずみ [予習]真応力と真ひずみの定義と,ひずみの加算性について調べておく. [復習]練習課題を解き,レポートとして提出する. 第3回 三次元の応力成分と主応力 [予習]ベクトルの座標変換と固有値について調べておく. [復習]練習課題を解き,レポートとして提出する. 第4回 偏差応力,不変量,平衡方程式 [予習]偏差応力と応力の釣り合いについて調べておく. [復習]練習課題を解き,レポートとして提出する 第5回 ひずみ成分と二次元問題 [予習]ひずみの定義について調べておく. [復習]練習課題を解き,レポートとして提出する 第6回 降伏条件 [予習]トレスカおよびミーゼスの降伏条件について調べておく. [復習]練習課題を解き,レポートとして提出する. 第7回 相当応力,相当塑性ひずみ [予習]相当応力,相当塑性ひずみについて調べておく. [復習]練習課題を解き,レポートとして提出する. 第8回 構成式1 [予習]プラントル・ロイスの構成式について調べておく. [復習]練習課題を解き,レポートとして提出する. 第9回 構成式2 [予習]平面応力,平面ひずみ状態の構成式について調べておく. [復習]練習課題を解き,レポートとして提出する. 第10回 中間試験および解説 [予習]これまでの練習課題を理解しておく. [復習]中間試験の解答を理解しておく.塑性加工用材料と工具,機械,潤滑 [予習]塑性加工用の素材やプレス機械について調べておく. [復習]課題を解き,レポートとして提出する. 第11回 圧延,押出し [予習]圧延と押出しについて調べておく. [復習]課題を解き,レポートとして提出する. 第12回 曲げ,張出し,絞り [予習]曲げ,張出し,絞りなど板成形について調べておく. [復習]課題を解き,レポートとして提出する. 第13回 鍛造 [予習]自由鍛造,型鍛造について調べておく. [復習]課題を解き,レポートとして提出する. 第14回 塑性加工シミュレーション [予習]有限要素法について調べておく. 第15回 期末試験および総括 [予習]これまでの講義内容と課題を理解しておく. [復習]期末試験の解答を理解しておく.
【学習の方法】
・受講のあり方
講義を中心に行う.復習に役立つようなノート作成を心がけてください.
・授業時間外学習へのアドバイス
授業ノートを中心に課題に取り組み復習すること.
【成績の評価】
・基準
レポート30%,中間試験35%,期末試験35%の重みで評価する.合格基準は合計で60%とする.
・方法
中間・期末試験の成績とレポートの提出状況で評価する.
【テキスト・参考書】
[テキスト] 日本塑性加工学会,例題で学ぶはじめての塑性力学,森北出版,2400円 [参考書] 日本塑性加工学会編,塑性加工入門,コロナ社,3000円(税抜)(入門的) 基礎塑性加工学 第3版,川並高雄ら,森北出版,2600円(税抜)(入門的) 鈴木弘編,塑性加工(改訂版),裳華房,4100円(税抜)(標準的) 吉田総仁,弾塑性力学の基礎,共立出版,3300円(税抜)(発展的)
【その他】
・オフィス・アワー
火曜日16:00~17:00
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