計算機基礎(電気)
 Introduction to Computer Systems
 担当教員:稲葉 信幸(INABA Nobuyuki)
 担当教員の所属:理工学研究科
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:電気電子工学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業概要】
・テーマ
コンピュータを一つのシステムとして考えたときに、それがどのような原理で動作し、どのような構成になっているかを学習する。コンピュータの中身を理解するための授業である。
目的:コンピュータを動かしている「しくみ」の基本を理解するとともに、人間とコンピュータの関係について考える。内容:現在のコンピュータが「記号を処理して働く機械」であり、いわゆる「フォン・ノイマンのアーキテクチャ」に基づいて構成され動作していることを理解する。講義の前半では、文字や数値などの記号がコンピュータの内部でどのように表されるかを学ぶ。講義の後半では、記号処理の基本となる論理演算と論理回路のごく簡単なモデルを学ぶ。さらに、現在のコンピュータの基本的な構成を学ぶ。
・到達目標
1. コンピュータの種類およびその歴史の概要を知る。
2. コンピュータにおける情報の表現方法を理解する。[情報量の定義、ビットの意味、文字コード、数値の表現方法]
3. コンピュータにおける計算の仕組みを理解する。[整数演算、負数の演算、IEEE754準拠の浮動小数点数の演算]
4. コンピュータの基本的な動作について理解する。[CPU、メモリ、バスなど基本要素のしくみ、基本論理回路の動作]
5. コンピュータを動かすためのソフトウェアの知識を得る。[プログラム言語とオペレーティングシステムの初歩]
・キーワード
コンピュータ、2進数、浮動小数点、論理回路、ハードウエア、ソフトウエア、コンピュータアーキテクチャ
この講義は「電気電子工学科Aコース教育プログラム」の学習・教育目標(B)に対応する。

【科目の位置付け】
電気電子工学科の学習・教育達成目標における「電気・電子・通信分野および関連分野の専門知識を習得し、自主的に専門性を深めていくことができる」(B/B1)●に対応

【授業計画】
・授業の方法
基本的にテキストに従って講義を進めるが、記載のない発展的話題も取り上げるので、必要に応じて参考書を用いること。
・日程
1. 授業概要・コンピュータの歴史と日常生活との関わり 2. 2進数・8進数・16進数・10進数による整数表現 3. 負数と2の補数 4. 2進数・16進数の固定小数 5. 浮動小数点 6. 2進数の加減算 7. 文字コード
8. 中間試験とまとめ
9. 基本論理回路 10. ブール代数 11. 組み合わせ論理回路 12. 順序論理回路 13. コンピュータの動作 14. コンピュータの命令
15. 期末試験と解説

【学習の方法】
・受講のあり方
講義中はノートをきちんととり、復習や試験の勉強に役立つようにする。わからないところは、担当教員に質問し、不明のままにしておかないこと。私語、喫煙、そのほか、他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は、受講を遠慮していただき、欠席扱いとする。
・授業時間外学習へのアドバイス
シラバスや前回の講義で話された予定のところを予め勉強しておく。全体の中での位置づけや前後のつながりも考えておくこと。授業中にとったノートを十分検討し、確実に身につけるようにする。

【成績の評価】
・基準
(1) 負数の表現に2の補数を用いることができる、小数を2進数表現できる
(2) 整数とその内部表現の相互変換が計算できる
(3) 浮動小数点形式の特徴について理解し、実数とIEEE754浮動小数点形式の内部表現の相互変換ができる
(4) 基本論理回路を使って簡単な回路を設計できる
(5) CPUの主要な内部ユニットの名称と機能を理解し、その動作を説明できる
・方法
中間試験、期末試験において(成績評価基準)の欄で示した各項目が達成されているかどうか確認する。中間試験 40点, 期末試験 40点, 講義中演習とレポート 20点,合計 100点(60点以上を合格とする)。

【テキスト・参考書】
テキスト:青木 征男、「情報の表現とコンピュータの仕組み」第5版、ムイスリ出版、2014、ISBN978-4-89641-230-7(2,250円,税別)
参考書:半谷、見山、長谷川「コンピュータ概論」コロナ出版、2008、ISBN978-4-339-02428-9(2,800円,税別)

【その他】
・学生へのメッセージ
コンピュータについて基礎知識を持つことは、情報化時代(ITの時代)を生きる諸君にとって非常に重要なことである。この授業を足がかりにして、しっかり勉強して基礎固めをして欲しい。特別な予備知識は必要ないが、指数などの数学および論理学の基礎を理解していることが望まれる。
・オフィス・アワー
場所は工学部7-115とする。時間帯は水曜日16:00~17:00。

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