通信システム
 Communications Systems
 担当教員:近藤 和弘(KONDO Kazuhiro)
 担当教員の所属:理工学研究科
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:電気電子工学科  科目区分:専門科目・選択 
【授業概要】
・テーマ
広帯域データネットワークや携帯電話の普及により、至る所で高品質な通信が行えるようになっている。このような環境は今後の活動には不可欠な要素となるが、その仕組みはあまり知られていない。そこで、このような通信網において各種データが送られる仕組みを概観し、身近なネットワークサービスに結び付けて考えていくことを目指す。
固定電話網や携帯電話網で通話が確立され音声信号が送られる仕組みを見ていく。またインターネットを始めとするデータ通信網でデータが高信頼性でかつ第三者に内容を知られないように通信される仕組みについても見ていく。要素技術の解説は「情報通信」に任せ、この授業では通信ネットワークの全体像を概観していく。
・到達目標
(1)電話網、携帯電話網の通話が行われる基本的仕組みを理解していること。(2)インターネットにおけるデータ通信の基本的仕組みを理解していること。(3)ネットワークにおけるセキュリティーや基本的な情報倫理を理解していること。
・キーワード
固定電話網,トラフィック理論、インターネットとプロトコル、LAN、ネットワーク・セキュリティー(暗号,情報倫理含む)、携帯電話網

【科目の位置付け】
電気電子工学科の学習・教育達成目標における「電気・電子・通信分野および関連分野の専門知識を習得し、自主的に専門性を深めていくことができる」と、「社会の要求を解決するための複眼的な思考能力を伸ばし、人類社会と自然の調和的・持続的発展について多面的に考えることができる」に対応する。特に前者に重点を置く。

【授業計画】
・授業の方法
授業計画で挙げられている各テーマについてまず講義を行い、要所で演習、ないしはレポートを課す。
・日程
1回 授業概要、通信網外観、  2回 固定電話網、 3回 トラフィック理論(基本量定義)、
4回 トラフィック理論(即時、待時系)、 5回 プロトコルとOSIモデル、 6回 TCP、UDP、 
7回 LAN、 8回 前半まとめ、中間試験、  9回 MACアドレス、
10回 ネットワークセキュリティー(セキュリティーポリシー)、  11回 ファイアウォールと暗号、 12回 情報倫理、ウィルス、
13回 多元接続、 14回 携帯電話網、  15回 全体まとめ、定期試験

【学習の方法】
・受講のあり方
教科書に述べられている範囲以外でも言及するので、教科書を参考にしノートを十分に取って整理し、必要に応じて参考書を元にノートを追加すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
予習:テキストを見て前週に学習した内容をもう一度見直した上で、その続きに目を通しておくこと。
復習:講義中の内容を教科書とノートを用いて見直し、理解に努めること。見直してもなお理解できない場合は、参考図書、学習支援コーナーやオフィスアワーを活用すること。
定期的にレポートを課すので、充分に時間を掛けて準備すること。

【成績の評価】
・基準
(1) 電話網、携帯電話網の通話が行われる基本的しくみを説明できる。(2) インターネットにおけるデータ通信の基本的仕組みを理解し、パソコンのネットワーク通信ツールを使える。(3) ネットワークにおけるセキュリティーや基本的な情報倫理を理解し実践できる。(4) 与えらたトラフィックに対するリソースの割り当てができる。
・方法
科目の達成目標に記載の項目について試験とレポートを課し、以下の基準を満たしたものを合格とする。
中間、期末試験各40点、レポート課題20点、合計100点とし、合格点を60点とする。

【テキスト・参考書】
テキスト:河西、北見,坪井、「情報ネットワークの仕組みを考える」、朝倉書店、2014年、2,500円+税
参考書:岡田,桑原「情報通信システム」、コロナ社、1999年、2,400円。森本喜一郎、「通信とネットワークの基礎知識」、昭晃堂、2001年、2,500円。福永、泉、萩原、「コンピュータ通信とネットワーク」、第五版、共立出版、2002年、3,500円。遠藤靖典、「情報通信ネットワーク」、コロナ社、2001年、2,700円。酒井、植松、「情報通信ネットワーク」、昭晃堂、1999年、2,400円。戸根、「ネットワークはなぜつながるのか」、第2版、日経BP、2007、2,400円。中嶋、有田、「携帯電話はなぜつながるのか」、日経BP、2007年、2,400円 。諏訪、家木、「情報通信システムの基礎」、丸善、2006年、2,300円。

【その他】
・学生へのメッセージ
通信システムを広く概観するが,興味を持ったテーマについてはインターネット、図書館などを利用し更に深く調べること。
「情報通信」は本講義で扱う通信システムの要素技術を扱うので,平行して受講されたい。
・オフィス・アワー
場所は工学部7-239とする。時間帯は後日掲示する。

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