数値情報処理
 Numerical Analysis
 担当教員:馮 忠剛(FENG Zhonggang)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)応用生命システム工学分野
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:応用生命システム工学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業概要】
・テーマ
数値計算法の初歩について,分かり易く解説する。現在のコンピュータ(ノイマン型)は32ビットなど一定の桁数を決めてデータ演算処理を行なっている。本講義ではまず、一定桁数で演算を行うコンピュータを用いて数値計算を行なう際に生ずる丸め誤差、桁落ち、情報落ち等について学び、通常の算術演算における交換則・結合則・分配則が必ずしも成立するとは限らないことを明らかにする。これらの問題点を考慮にいれて、科学技術分野で現われる数値計算問題に対する計算アルゴリズムを導出する。具体的には、補間公式、数値積分公式、常微分方程式の数値解法、線形代数方程式の数値解法および高次代数方程式の数値解法について、代表的な計算アルゴリズムを学ぶ。
・到達目標
数値計算の基本計算法を理解し、実際の問題を数値計算法によって解決できる。
・キーワード
数値計算、関数の近似、線形代数方程式の数値計算、常微分方程式の数値計算。

【科目の位置付け】
基礎的な数学、プログラミングを修得した上で理工系学生に向けて行なわれる応用数学の一つ。

【授業計画】
・授業の方法
毎回、授業中に演習を行いながら講義を進めていく。
・日程
第1週 概論、
第2~3週 誤差と有効数字、桁落ちと情報落ち
第4~5週 補間公式(Lagrange 補間公式、逆補間と補外)
第6~7週 積分公式(台形則、Simpson 則)
第9~10週 線形代数方程式(Gauss消去法、逆行列)
第11~12週 常微分方程式(Euler 法、Runge-Kutta 法)
第13~14週 高次代数方程式(不動点法、Newton 法)
第15週 復習・演習・まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
配布される資料をもとに、講義内容のノートを取り、自分のための「数値情報処理の本」を作るつもりでまとめる。分らないことは先延ばしにしないで、演習時間中あるいは授業後、すぐに質問する。どこが分らないかを先ず知ることが大事で、それを質問して改めて説明を受けることに依って、分らないところが明確に分って自分の実力になっていく。
・授業時間外学習へのアドバイス
配布された資料について、予告された授業内容に関わる箇所をあらかじめチェックして、授業内容を大づかみしておく。毎回自分で取ったメモを参照しながら授業内容を整理し、疑問点を纏めておいて適宜、積極的に質問する。

【成績の評価】
・基準
期末試験 (50%)・・・再試験、追加試験は行わない
平常点 (50%)・・・毎回、演習レポートを提出させるので、その内容をもって評価する
・方法
定期試験を50点、授業中の演習レポートを50点、合計100点満点で評価し、60点以上を合格とする。

【テキスト・参考書】
適宜、資料を配布する。山本:数値解析入門:サイエンス社:1,800円 池辺、稲垣:数値解析入門:昭 晃 堂:3,399円
(その他、「数値計算法」等のタイトルのある本:図書館に多数あり)

【その他】
・学生へのメッセージ
出来るだけ分かりやすく講義を進めるが、十分に予習・復習を行うことによって、本質的な理解がえられ、ひいては自分の基礎学力の向上につながっていく。随時演習を行いながら授業を進めるので、決して無断で欠席をしないこと。授業を通して柔軟なものの見方・思考を身に付けていってほしい。「プログラミング演習I」、「プログラミング演習II」および「計算機工学」の講義が関連した科目である。特に、学んだ数値計算法をC言語などで実際にプログラムして実際の問題を解くことを勧める。授業中に演習があるので、電卓を持参するとよい。
・オフィス・アワー
特に設けないが、アポイントを取ればいつでも可。

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