脳情報科学
 Computational Neuroscience
 担当教員:姜 時友(KANG Siu)
 担当教員の所属:理工学研究科 応用生命システム工学専攻
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:応用生命システム工学科  科目区分:専門科目・選択 
【授業概要】
・テーマ
脳科学・神経科学に関する基礎を学ぶとともに,理論脳科学・計算神経科学における問題意識とその基礎を学びます.具体的には,神経生理学の基礎と神経情報処理の数理を理解し,さらにそれらの工学的な応用に関して学ぶことがねらいです.
・到達目標
1. 脳を構成する神経細胞の素子特性・結合様式・情報表現様式を理解する.
2. 集団神経細胞が構成する神経回路の活動特性と機能を理解する.
3. 学習や記憶などといった高次脳機能に対する数理を理解する.
・キーワード
神経回路網(ニューラルネットワーク),大脳皮質,活動電位,シナプス可塑性,記憶,学習

【科目の位置付け】
生体情報処理装置である脳の計算理論を学ぶことによって,生体とシステムを融合する工学者としての視点を身につける科目です.

【授業計画】
・授業の方法
講義は板書,パワーポイントを用いた説明により行います.
・日程
0. ガイダンス 1. 脳科学入門
2. 神経回路の素子特性(神経細胞の活動電位発生機構) 3. 神経回路の結合特性(シナプス伝達)
4. 神経回路の情報表現(神経情報符号化様式) 5. 神経回路の可塑的変化(シナプス可塑性)
6. 神経細胞のモデル 7. シナプスのモデル
8. 視覚系(一次視覚野) 9. 視覚系(高次視覚野) 10. その他感覚系 11. 運動系
12. 記憶と学習 13. 前頭前野 14. 脳研究の最前線 15.まとめ
*理解度に応じて進度や内容を変更することがあります.

【学習の方法】
・受講のあり方
板書やスライドよりも口頭での説明がより重要です.内容に対しては常にその意義は何かということを意識しながら学ぶよう心がけてください.
・授業時間外学習へのアドバイス
関連図書を事前に調べることを推奨します.また,できる限り記憶が新鮮な当日中に復習する習慣をつけましょう.数式に関しては実際に自身で計算してみることが重要です.

【成績の評価】
・基準
出席,レポートで総合的に評価します.
・方法
レポート

【テキスト・参考書】
「神経科学ー脳の探求」,マーク・F・ベアー他著,西村書店
「ニューロンの生物物理」,宮川博義,井上雅司著,丸善株式会社
「Theoretical Neuroscience」,Peter Dayan,Larry F. Abbott著,The MIT Press
「シリーズ脳科学1・脳の計算論」,甘利俊一監修,深井朋樹編,東京大学出版会

【その他】
・学生へのメッセージ
特に事前知識は特に必要としませんが,数理パートに関しては数学(ベクトル解析,微分方程式,線形代数など)や物理の知識があると理解の助けになります.
・オフィス・アワー
随時相談に応じます.9号館706号室

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