生物物理
 Biophysics
 担当教員:羽鳥 晋由(HATORI Kuniyuki)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)応用生命システム工学分野
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:応用生命システム工学科  科目区分:専門科目・選択 
【授業概要】
・テーマ
生命現象を担う生体分子の性質を物理の視点から捉え,客観的および定量的に理解する.
・到達目標
生物の素材の物理量を見積もれる.生命現象をそのダイナミクスを理解した上で,モデル構築し,物理現象として記述できる.水溶液中でのナノメートルスケールでの現象を理解できる.
・キーワード
エントロピー,熱力学,自由エネルギー,タンパク質,細胞,核酸

【科目の位置付け】
生命科学を理解するための発展的科目

【授業計画】
・授業の方法
スライドを用いながら説明する.テキストは特に定めないが,参考書があればより望ましい.資料をWebClassからダウンロードするか,もしくは参照できるようにしておく.基本的に毎週演習を行う.
・日程
第1週 ガイダンス ・生物物理とは
第2週 細胞・分子の大きさ
第3週 生物学的過程の時間・速度
第4週 モデルタンパク質としてのヘモグロビン
第5週 力学的・化学的平衡
第6週 エントロピー
第7週 ボルツマン分布
第8週 質量作用の法則・平衡定数
第9週 二状態系・ギブス分布
第10週 ランダム・ウォークと高分子構造
第11週 生物における静電気学
第12週 生物における梁の理論
第13週 細胞骨格の力学
第14週 分子モーター
第15週 復習と総括

【学習の方法】
・受講のあり方
基礎的な物理は前もって理解していること.生物と物理のどちらも知識が必要なので,興味のある学生だけ受講して欲しい.わからないことは積極的に質問して欲しい.毎回出席すること.関数電卓や演習解答のための専用ノートを用意すること.演習の解答を確認した後に押印する.
・授業時間外学習へのアドバイス
授業時間に理解できなかったことは,調べること.
授業内で演習が終わらなかった者は,宿題として次回までに自分で問題を解いてくる.

【成績の評価】
・基準
毎回の演習で,正しい式を立てて計算できるかどうか評価する.
・方法
演習を12回行い,各100満点で平均点が60点以上で合格とする.

【テキスト・参考書】
参考書
細胞の物理生物学,R. Phillips 他著,笹井 理生 他訳,共立出版,ISBN 978-4-320-05716-6

【その他】
・学生へのメッセージ
熱運動する分子の気持ちになってみる.
・オフィス・アワー
随時相談に応じる.工学部8号館405号室

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