【授業概要】
・テーマ
マイクロ・ナノスケールにおける微細加工は、エレクトロニクス,メカトロニクス,情報通信などの広い産業分野を支える重要な基盤技術である。 本講義では、金属、半導体、ポリマ、ガラス等の材料を所定の微細形状に加工していく微細加工法の原理、特徴、応用事例(加工装置、加工製品) の基礎を学ぶ。
・到達目標
(1)物理的あるいは化学的作用によって種々の材料を除去、堆積、接合して微細形状に加工していく原理を理解できること。 (2)各微細加工法の特徴を 理解できること。 (3)その組み合わせにより、微細形状の設計および形成へ応用する基礎知識を習得できること。
・キーワード
精密加工,マイクロ/ナノ加工,MEMS, 表面加工/薄膜形成,接合,フォトリソグラフィ,エッチング
【科目の位置付け】
システム創成工学科の学習・教育目標の内,「(B)専門分野の基礎力」を養成する科目である.
【授業計画】
・授業の方法
授業の方法 90分×15回の講義及び演習を行う.随時,レポートを課す.
・日程
第1回:微細加工の概要 (復習)微細加工手法の分類について習得(プリント配布) 第2回:レーザー加工、放電加工 (予習)レーザーの原理について把握 (復習)レーザーおよび放電加工の各論を習得 第3回:電子ビーム加工、イオンビーム加工 (予習)走査型電子顕微鏡(SEM)の原理と構成を把握 (復習)ビーム加工の特徴について習得(プリント配布) 第4回:射出成形、粉末成形 (予習)金型を用いる成型の概念を把握 (復習)金型成型の各論について習得(プリント配布) 第5回:加工品の計測・検査(寸法、形状計測、評価技術) (予習)精密計測の基礎について把握 (復習)精密計測の各論について習熟(プリント配布) 第6回:マスク露光プロセス (予習)フォトリソグラフィの概念を把握 (復習)露光プロセスの原理と種類について習得 第7回:フォトリソグラフィ (予習)露光プロセスの原理を把握 (復習)微細パターン形成技術の各論について習得(プリント配布) 第8回:化学エッチング (予習)酸・アルカリの化学的な特色の基礎について把握 (復習)化学エッチングの各論について習得 第9回:気相エッチング、プラズマ加工(1)原理および基礎 (予習)物質の3態について習熟 (復習)プラズマ放電の基礎について習得(プリント配布) 第10回:気相エッチング、プラズマ加工(2)応用プロセス (予習)プラズマ放電現象について把握 (復習)プラズマ加工の応用について習得(プリント配布) 第11回:表面加工、電解加工、電鋳加工 (予習)電気分解反応の基礎について把握 (復習)電解加工の原理と応用について習得(プリント配布) 第12回:薄膜形成 (予習)電鋳加工の応用について把握 (復習)液相および気相での薄膜形成技術の各論を習得(プリント配布) 第13回:接合 (予習)各種の材料貼り合わせ技術を把握 (復習)接合技術の各論について原理と応用を習得 第14回:砥粒・粒子加工 (予習)脆性破壊と延性破壊の概念を把握 (復習)砥粒・粒子加工の原理と応用を習得(プリント配布) 第15回:ナノマシニング、複合プロセス (予習)マイクロ、ナノの寸法スケールを把握 (復習)各種の複合プロセスの応用を習得 定期試験および解説
【学習の方法】
・受講のあり方
先端的な微細加工技術を各論的に紹介し学習するので、幅広く知識を吸収しようという姿勢で積極的に取り組んで欲しい。特に、原理および特徴な どの不明な点は講義中に質問し、積極的に理解を深めて欲しい。分からない部分があったら質問する.私語,飲食,講義中の出入り,そのほか,他の受講生の迷惑となる行為を行った場合は受講を遠慮していただき,欠席扱いとする.
・授業時間外学習へのアドバイス
教科書は使用しない。必要に応じて資料を配布する。
【成績の評価】
・基準
1.各種の微細加工法の原理の理解 2.各種の微細加工法の特徴の把握 3.微細形状の設計および形成へ応用可能な基礎知識の習得 以上の3点を評価基準とする
・方法
複数回のレポートを30点、期末試験を70点とし、総合して60点以上を単位認定とする.レポート提出が全回数中2/3に達しない学生、および出席が授 業回数の2/3に満たない学生には単位を認定しない.
【テキスト・参考書】
参考書・参考資料等 木本康雄, 矢野章成, 杉田忠彰 著, マイクロ応用加工, 共立出版 近藤英一 著, マイクロ・ナノ加工の原理, 共立出版 藤田博之 著, マイクロナノマシン入門―半導体技術で作る微小機械とその応用, 工業調査会 江刺正喜,はじめてのMEMS, 森北出版 江刺正喜,五十嵐伊勢美,藤田博之,杉山進 著,マイクロマシニングとマイクロメカトロニクス, 培風館
【その他】
・学生へのメッセージ
従来の機械加工とは異なる概念の微細加工手法を学ぶので、新鮮な興味と好奇心を持って講義に参加し、将来の自分に役立てる知識として吸収して ほしい。
・オフィス・アワー
火曜日16:00-17:30
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