認識工学
 Pattern Recognition
 担当教員:小坂 哲夫 (KOSAKA Tetsuo)
 担当教員の所属:理工学研究科
 開講学年:4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:情報科学科  科目区分:専門科目・選択必修 
【授業概要】
・テーマ
パターン認識は,○○認識と呼ばれる分野(音声認識,話者認識,文字認識,筆者識別,画像認識,物体認識等),自動○○と呼ばれる分野(自動診断,自動計測,自動検査,自動選別,自動同定,自動案内等)などが関連する基本要素技術である.これらの分野に共通する基本的な知識や手法を体系的に学ぶ.また音声認識など応用例について学ぶ.
本授業ではまず,パターン認識に関する全般的・基本的な事項や処理の流れについて説明する.パターン認識の前処理のための標本化と量子化,特徴の抽出と正規化,最近傍決定則とパーセプトロンによる識別を説明する.次にパターン認識の性能向上に関し,誤差の最小化,サポートベクトルマシンやニューラルネットワークによる機械学習,統計的手法について説明する.またパターン認識システムの評価についても説明する.最後に,パターン認識理論の応用システムについて学ぶ.
・到達目標
(a)パターン認識のための前処理,特徴の抽出法を理解する.
(b)最近傍決定則とパーセプトロンによるパターン識別法を理解する.
(c)誤差の最小化方法を理解する.
(d)サポートベクトルマシンとニューラルネットワークによる機械学習を理解する.
(e)ベイズ判定法にもとづく統計的な識別法を理解する.
(f)パターン認識システムの評価方法を理解する.
・キーワード
特徴の抽出,最近傍決定則,パーセプトロン,識別関数,サポートベクトルマシン,ニューラルネットワーク,ベイズ判定法

【科目の位置付け】
情報科学科昼間コースの学習・教育目標(C)に対応する科目である.
本授業の基礎となる科目:確率統計学,応用確率論.
関連科目:信号処理,画像工学.

【授業計画】
・授業の方法
講義を主体に授業を進めるが,適宜,問題の演習またはミニテストを行う.
・日程
第1週 パターン認識とは 第2週 パターン認識の前処理
第3週 特徴抽出 第4週 識別関数
第5週 パーセプトロン 第6週 誤差評価に基づく学習
第7週 サポートベクトルマシン 第8週 中間試験とまとめ
第9週 ニューラルネットワーク 第10週 統計的手法
第11週 パターン認識システムの評価 第12週 パターン認識の応用例(1)
第13週 パターン認識の応用例(2) 第14週 パターン認識の応用例(3)
第15週 定期試験とまとめ (これは予定であり,理解度によっては変更あり)

【学習の方法】
・受講のあり方
授業中に出された演習問題を積極的に行い,授業時間内での理解に努めること.授業中の私語などの他の受講生への迷惑行為は当然禁じる.
・授業時間外学習へのアドバイス
テキストの該当箇所を前もって読んでおくことが望ましい.
講義中に出た重要概念などを復習し,また,授業中解けなかった演習問題を行ってくること.

【成績の評価】
・基準
到達目標に記した各項目について,基本的な概念が正しく理解できていることが合格の条件となる.
・方法
中間試験(50点),期末試験(50点)を合計し100点満点で判定する.単位認定は60点以上とする.

【テキスト・参考書】
教科書:荒木 雅弘,フリーソフトでつくる音声認識システム,森北出版,3570円(2007)
参考書:鳥脇純一郎,認識工学,コロナ社、3045円(1993)

【その他】
・学生へのメッセージ
教科書は各自購入のこと.参考書は必要に応じて判断してください.
・オフィス・アワー
火曜日 9:00~11:00(予定),8-211号室(工学部8号館)

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