物理化学基礎
 The First Physical Chemistry
 担当教員:木俣 光正(KIMATA Mitsumasa)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)物質化学工学分野
 開講学年:1年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:物質化学工学科  科目区分:専門基礎科目・選択必修 
【授業概要】
・テーマ
物質の化学的あるいは物理的変化に対して一般法則を与えるものが物理化学である。物理化学は化学の基礎理論であるが、同時に実践的な学問でもあり、ものづくりには欠かせない学問である。この授業では、様々な物質の性質を知ることで、私たちの身の回りに生ずるいろいろな現象を理解し、物理化学が単に化学の基礎学問としてではなく、如何に私たちの生活に密接に関わっているかを学ぶ。物理化学で取り扱われる基本的な用語を理解するのはもちろん、物質の構造、物質の性質および物質の変化(物理・化学変化)を理解し、地球を取り巻く大気や水の性質が関わる地球環境,生活の中における物理化学を理解する。
・到達目標
(a)数値の精密さや単位と物理量について理解できる。(b)原子の内部の電子構造および原子同士の化学結合について理解できる。(c)気体,液体,固体の性質を理解し、それらの状態変化の理由を説明できる。(d)コロイドと界面活性剤の性質が理解できる。(e)物理化学で使われる用語や法則を理解し、自由に計算できる。
・キーワード
有効数字、SI単位、化学量論、波動方程式、エネルギー準位、イオン結合、共有結合、水素結合、理想気体、状態方程式、蒸気圧、相図(状態図)、水溶液、浸透圧、コロイド、界面活性剤

【科目の位置付け】
この講義は,物質化学工学科の学習・教育目標「(B)工学基礎および専門知識の習得と継続的学習」に対応する。

【授業計画】
・授業の方法
講義は適宜スライドを使うなどして90分行う。授業で学んだ事柄の理解を深めるため,授業中に15分程度の演習問題を行う。
・日程
第1週 はじめに,元素誕生の謎
第2週 物理量と単位
第3週 化学量論
第4週 原子,放射線
第5週 水素原子モデル
第6週 原子の構造,イオン化エネルギー
第7週 化学結合
第8週 分子軌道
第9週 気体の性質と気象
第10週 実在気体と臨界現象
第11週 気体・液体・固体
第12週 水溶液の蒸気圧
第13週 水溶液の浸透圧
第14週 コロイドと界面活性
第15週 まとめと期末試験

【学習の方法】
・受講のあり方
概念的な理解が容易でないため毎週受講すること。私語等他の受講生の迷惑となる行為は禁止。質問は授業の終わりまたは演習用紙を利用しよう。
・授業時間外学習へのアドバイス
高校で使った物理と化学の教科書を読み直してみよう。週に1度は図書館などで予習、復習の時間を確保し、「物理化学」と書いてある本を読んでみよう。講義とは違った角度から説明されているので、自分がイメージしやすい説明を探してみると良い。

【成績の評価】
・基準
毎週行う演習と期末試験で成績を評価する。演習はその理解度に応じて各回毎に点数を加算しその合計を演習点とし、期末試験は第1回から第14回までの講義内容を試験範囲とする。なお、全ての目標を達成するため、演習点、期末試験のいずれも原則6割以上の点数で合格とする。
・方法
毎週講義内容に関する演習を講義時間内に行う。期末試験は最終週に行う。

【テキスト・参考書】
<テキスト>特になし。必要に応じてプリントを配布する。
<参考書>千原秀昭, 稲葉章 訳「アトキンス物理化学要論 第5版」東京化学同人, 2012 など

【その他】
・学生へのメッセージ
毎週、演習をするので必ず出席をすること。とにかく授業に出ることが肝要である。
毎回授業の終わりに行う演習は、自分で考えて解こうとする態度が大事であり、その習慣を是非身に付けて欲しい。
・オフィス・アワー
水曜日:16:00~17:00,工学部3号館1209号室 連絡先:kimata@yz.yamagata-u.ac.jp

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