機械工学基礎I
 Introduction to Mechanical Engineering I
 担当教員:小沢田 正(KOSAWADA Tadashi)
 担当教員の所属:理工学研究科
 開講学年:1年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:機械システム工学科  科目区分:専門基礎科目・選択必修 
【授業概要】
・テーマ
機械工学とは力学を物質の三態に合わせて適用し,工業技術に応用する学問です。このため機械工学全般に通用する基礎力学が必要になります。これが機械工学基礎I-IVです。機械工学基礎Iでは力学の基礎および”道具”としての微分・積分学の基礎と応用方法を学びます。
・到達目標
(1)高校までの数学知識の現象論的意味合いを理解できること。
(2)微分積分を自由に計算でき,力学との関係を把握できること。
(3)物理的事象と数学の関数との関係を理解できること。
(4)基礎的微分方程式の導出および解法ができること。
・キーワード
運動の法則,線形代数,微積分学,微分方程式,力学の基礎

【科目の位置付け】
機械システム工学科の学習・教育到達目標のうち,(A):工学の基礎力(0.4)と(G):機械工学の基礎力(0.6)を養成するための科目である.括弧内の数値は重みを示す.

【授業計画】
・授業の方法
講義と演習を交互に行う1回180分(1週2コマの授業:午前と午後)の授業を7.5週にわたり行います。
・日程
第1週…三角比,ベクトル,連立方程式と行列表示
(予習)テキスト(P2-7)を読んでおくこと。
(復習)P6-7の問題などから課せられる課題をレポートとして提出すること。
第2週…力のはたらき,力のつり合い,等速度運動,等加速度運動,平面運動
(予習)テキスト(P8-17)を読んでおくこと。
(復習)P17の問題などから課せられる課題をレポートとして提出すること。
第3週…微分法,積分法,速度・加速度と微積分
(予習)テキスト(P18-21)を読んでおくこと。また,高校の微積分の基礎を復習しておくこと。
(復習)P21の問題などから課せられる課題をレポートとして提出すること。
第4,5週…微分・積分の応用,三角関数,指数・対数関数,オイラーの公式,テーラー展開
(予習)テキスト(P66-71)を読んでおくこと。また,三角関数,指数・対数関数の微積分を復習しておくこと。
(復習)P69の問題などから課せられる課題をレポートとして提出すること。
第6週…運動の3法則,運動方程式
(予習)テキスト(P22-27)を読んでおくこと。また,高校物理の力学の基礎を復習しておくこと。
(復習)P28-33の問題などから課せられる課題をレポートとして提出すること。
第7週…まとめとテスト

【学習の方法】
・受講のあり方
(1)可能な限り,授業中に質問をすること(他の学生のためにもなる)。
(2)わからないところをそのままにしない。必ず,質問をすること。
(3)教員が黒板にミスをしたら,即座に指摘すること。「なんだかおかしいなー」と思い続けないこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
あらかじめ授業計画で指定されたテキストの箇所,事項などに目を通して授業にのぞむこと。復習として,毎回出題される課題をきちんと自分で解いてみること。さらに参考書で類似の問題を解いてみること。

【成績の評価】
・基準
(1)高校までの数学知識の現象論的意味合いを理解し,説明できる。
(2)微分積分を自由に計算でき,力学との関係を把握し,説明できる。
(3)物理的事象と数学の関数との関係を理解し,説明できる。
(4)基礎的微分方程式の導出および解法ができる。
・方法
演習課題40点,最終試験60点を総合して100点満点とし,60点以上を合格とする.

【テキスト・参考書】
テキスト: 高橋 正雄,基礎と演習理工系の力学,共立出版,2000円(2006)
なお,この教科書は機械工学基礎Ⅱおよび機械工学基礎Ⅲでも使います。
参考書:
1)宇佐美他,理工系のための力学の基礎,講談社,2400円(2005)
2)渡辺・上田,初歩の微分方程式と力学,養賢堂,2800円(2009)
3)”Calculus”, 5th Ed., James Stewart著(Brooks/Cole)(約6500円), (2003)

【その他】
・学生へのメッセージ
高校の数学知識を前提として講義を行なうので,安心して受講してください。また,私たちの生活や身の回りの出来事を表現する"道具"として力学を理解してください。工学は実践して初めて有効になります。そのための基礎である力学と数学は,計算を行い,グラフ・図形を描いて体感しながら学習することが重要です。授業中に生じた疑問やわからない点はそのままにしないでどんどん質問すること。
・オフィス・アワー
(1)授業終了後(午前,午後約10-20分程度,これ以外は下記メールにて受付)
(2)E-mail: kosawada@yz.yamagata-u.ac.jpにて受付

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