基礎製図
 Fundamentals of Engineering Drawing
 担当教員:上原 拓也(UEHARA Takuya)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)機械システム工学分野
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:1単位  開講形態:講義
 開講対象:機械システム工学科  科目区分:専門科目・必修  
【授業概要】
・テーマ
機械技術者は,自分の夢とアイディアを実際の製品設計に活かして具現化し,斬新で,画期的な製品を開発・製造して,社会の発展に貢献する使命を負っている.この科目の履修によって,アイディアとしての構想を具体的な製品の形状に描写するために必要な素養を身につける.
図学とJIS製図総則について講義と演習を行う.前半は機械製図の基礎,第三角法による図示法,寸法記入法について学び,後半は寸法公差,幾何公差,表面性状などの記入法について学ぶ.また,ねじなどの簡単な機械要素に関する製図演習を通して機械部品や装置の正確な図示法を習得する.
・到達目標
機械の開発,設計に応用できる正確な製図法を身につけること.(1) 投影法(三角法)の書き方を理解し,等角図から投影図を正確に書けるようになること.(2) 寸法や表面性状,幾何公差を正しく図面に指示できるようになること.(3) JIS機械製図(JISB0001)への習熟度を高めCADへ応用できるようにすること.(4) 反復練習によって図面が見やすく正しく迅速に書けるようになること
・キーワード
製図法と規則,投影法,寸法記入法,寸法公差,幾何公差,表面性状,機械要素

【科目の位置付け】
機械システム工学科の学習・教育到達目標のうち,「(G) 機械工学の基礎力」(1.0)に対応する科目である.なお,括弧内の数値は重みを示す.2年次以降の機
械システム設計及び製図の基礎となる.

【授業計画】
・授業の方法
1回90分の講義および演習を15週にわたり行う.
前半:図の書き方,投影法,寸法記号記入法について講義と演習
後半:寸法公差,幾何公差,表面性状の記入法について講義と演習
・日程
毎回,講義中に行う演習を提出する.時間内に提出できるよう,予習をすること.
また,間違えた項目については,授業終了後,教科書でよく復習すること.
第1週…機械工学と機械製図について,第2-4週…製図の基礎,投影法,断面図,第5-7週…寸法記入法,寸法公差,はめあい,第8-10週…幾何公差,表面性状,第11-12週…機械要素(ねじ,ボルト・ナット),第13-14週…製図演習,第15週…学期末特別演習

【学習の方法】
・受講のあり方
教科書の演習問題は出来るまで自力で取り組むこと.宿題等の提出期限を厳守すること.正確に・迅速にきれいな図面が書けるように訓練すること.「習うより慣れろ」の精神で受講すること.
・授業時間外学習へのアドバイス
疑問点や質問事項は必ず授業で聞き理解するように努めること.身の回りの機器,道具,構造物の形,機能や機構原理に常に関心を持って観察すること.
教科書を読み直し,正確な知識として定着させること.指示された教科書の課題演習には確実に取り組むこと.授業計画(日程)に記載してある項目について,指定された教科書などで1時間程度,内容を確認すること.

【成績の評価】
・基準
成績評価は,課題演習等の提出物が全て提出されていることを必須の要件とする.前半は目標(1)の到達度を,後半は(2)の到達度を評価する.両者の到達度がそれぞれ合格と評価された場合に1単位が取得できる.
・方法
毎回,演習問題や課題製図の提出を求める.機械製図法の基本事項について試験の成績を評価する.全体を通して評価基準は,毎回の演習・製図の完全提出:50点,中間・期末筆記試験(演習):50点を基準とし,総合点で60点以上を合格とする.

【テキスト・参考書】
林 洋次,機械製図,実教出版,1,745円(2005)
機械製図練習ノート(新課程版),実教出版,620円(2008)

山田 学,図解力・製図力・おちゃのこさいさい,日刊工業新聞社,2420円(2008)
JISハンドブック 製図,機械要素,鉄鋼,非鉄の各編

【その他】
・学生へのメッセージ
古来良き機械エンジニアは絵をたしなむ.
演習には製図用具:製図用シャープペンシル(芯径0.5と0.9mm),三角定規(20-30cmの目盛無し),直線定規,コンパス(半径15cmの円が描けるもの),用紙(A4セクションペーパー)を必要とする.製図用具と用紙については適当なものを紹介する.
・オフィス・アワー
工学部教員のため,小白川キャンパスでは特に設けない.

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