工業数学Ⅱ
 Engineering Mathematics II
 担当教員:齊藤 敦(SAITO Atsushi)
 担当教員の所属:理工学研究科
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:電気電子工学科  科目区分:専門基礎科目・選択必修 
【授業概要】
・テーマ
この科目は、工業数学 I とともに、電気電子工学における幅広い応用分野を視野に据え、そこで多用される数学の基礎を学び、高学年での専門科目履修への基礎学力の習得を目的とする。
工業数学 II では、「空間」の中の物理量の変化(分布)に関する数学を学ぶ。特に、電磁気学等で大切な、スカラ量とベクトル量、「場」の表し方、ベクトル解析を学び、その概念について学習する。
・到達目標
(1) スカラ量とベクトル量を明確に区別して表現できる。
(2) 単位ベクトルの定義を理解し、単位ベクトルを使ってベクトルを表すことができる。
(3) ベクトルの概念を理解し、ベクトルの四則演算ができる。特に、ベクトルの2つのかけ算(スカラ積・ベクトル積)ができる。
(4) 空間の1点を3種類の座標系でそれぞれ表すことができる。
(5) スカラ場とベクトル場の線積分の概念を理解し、計算できる。
(6) スカラ場とベクトル場の面積分の概念を理解し、計算できる。
(7) スカラ場の体積積分の概念を理解し、計算できる。
(8) 「場」の微分演算(勾配、発散、回転)ができる。
・キーワード
ベクトル、単位ベクトル、スカラ積・ベクトル積、ベクトル関数、座標系、スカラ場、ベクトル場、場の積分、場の微分、ベクトル解析、勾配、発散、回転

【科目の位置付け】
この科目の基礎となる科目:微分・積分(高校、大学初学年の微分・積分学)
この科目を基礎とする科目:電磁気学、電子物性、半導体工学等
この講義は、電気電子工学科の学習・教育目標(A)に対応する。

【授業計画】
・授業の方法
授業では、物理的なイメージが把握しやすいように概念・考え方の丁寧な説明に留意し、例題を示す。学生の理解を確認するためのミニッツペーパーを活用し、さらに理解を深めるためのレポートなどの課題も課す。
・日程
第1週 ガイダンスとスカラー場,ベクトル場,座標系, 第2週 スカラー場・ベクトル場の表現, 第3週 ベクトル場の演算,座標変換
第4週 円柱座標,球座標, 第5週 ベクトルの内積, 第6週 ベクトルの外積, 第7週 中間テストとまとめ
第8週 積分の意味,線積分, 第9週 重積分,面積分,体積分, 第10週 偏微分と全微分, 第11週 勾配
第12週 発散・回転の物理的意味, 第13週 発散・回転の定義, 第14週 発散・回転の公式と計算方法, 第15週 期末テストとまとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
新しい概念や考え方が、毎回数多く出てくるので授業について行くのは容易でないが、不明な点は自分で考えた後、質問するなど積極的な姿勢で授業に臨んでもらいたい。
・授業時間外学習へのアドバイス
一般に大学の授業では授業時間のみでの理解には限界があるので、復讐は大変重要である。数学の知識にも個人差があるので、各自不明な点についてはわかる所まで戻るのが近道である。場合によっては、高校のテキストに戻ることも重要である。自分で積極的に調べることが大切で、インターネットでの検索は便利であるが、できる限り図書館を利用し、調査方法も含めて広い知識を身に着け、理解を深めてほしい。

【成績の評価】
・基準
(1) スカラ量とベクトル量を明確に区別して表現できることを合格の基準とする。
(2) 単位ベクトルの定義を理解し、単位ベクトルを使ってベクトルを表すことができることを合格の基準とする。
(3) ベクトルの概念を理解し、ベクトルの四則演算ができることを合格の基準とする。
(4) 空間の1点を3種類の座標系でそれぞれ表すことができることを合格の基準とする。
(5) スカラ場とベクトル場の線積分、面積分、体積積分の概念を理解し、計算できることを合格の基準とする。
(6) 「場」の微分演算(勾配、発散、回転)ができることを合格の基準とする。
・方法
中間テスト 40点満点、期末テスト 40点満点、演習・レポート 20点満点、 総合評価 100点満点、単位認定は総合評価が60点以上。

【テキスト・参考書】
テキスト:高木・猪原・佐藤・高橋・向川 共著、「大学1年生のための電気数学―電気回路・電磁気学の基礎数学―」(森北出版)

【その他】
・学生へのメッセージ
2年次以降で学習する専門科目の基礎固めなので新しいことが多く、是非、毎回復讐して習得することを薦める。わからないことは自ら積極的に取組んで、理解を深めて、自分の将来や目標にアプローチして欲しい。
・オフィス・アワー
齊藤 敦(atsu@yz.yamagata-u.ac.jp)
工学部8号館202号室(内3289)

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