地質プロセスと自然災害(地球環境学)
 Geological Processes and Natural Hazards (Earth and Environmental Sciences)
 担当教員:本山 功(MOTOYAMA Isao)
 担当教員の所属:理学部
 開講学年:1年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:工学部  科目区分:基盤教育科目 
【授業概要】
・テーマ
 日本ではなぜ自然災害が多発するのか。災害をもたらす地質現象(地震、火山、斜面変動等)に着目して、防災・減災を考えるのに必要な基礎的知識について学習する。
 自然災害についての理解は、安心・安全な生活の基本となる。この講義では、いくつかの自然災害の事例を紹介し、自然災害の実態についての理解を深めるとともに、発生原因となる地球科学的諸過程(=地質プロセス)について入門的な解説を行う。
・到達目標
 地震、火山、土砂災害、隕石落下等による災害の事例・実態を知るとともに、防災・減災につながる地質学的素養を身につける。
・キーワード
地震、津波、火山、斜面変動、深層崩壊、天体衝突、気候変動、地球温暖化、東日本大震災

【科目の位置付け】
 我々を取り巻く自然環境は我々に恵みとともに災いをももたらす。社会生活の安心・安全を脅かす自然現象に関する基本的な知識を学び理解することによって、社会に参画し運営していく良識ある市民としての力を育むことを目的とする。(基盤教育の基本理念より)

【授業計画】
・授業の方法
 パワーポイントを中心に講義形式で行い、DVD等も併用する。
 自然災害の事例を紹介するため、本講義では東日本大震災を含め地震・津波・火山噴火・土石流等の災害現場の写真や映像を使用する。
・日程
 おおむね、次の項目と順序で講義を進める。自然災害は時事問題でもあるため、順序を入れ替えることもある。
 1回目:ガイダンス。自然の営みと災害        2回目:斜面変動―崩壊
 3回目:斜面変動—地すべり・土石流         4回目:火山とマグマ
 5回目:火山災害1                  6回目:火山災害2
 7回目:地震と災害                 8回目:津波
 9回目:被災地リポート―その1           10回目:被災地リポート―その2
 11回目:震源断層掘削                12回目:天体衝突―チェリャビンスク隕石
 13回目:天体衝突への備え              14回目:地球温暖化の真実
 15回目:温暖化後の山形

【学習の方法】
・受講のあり方
 パワーポイントやDVD等の映像で示される講義内容をノートに筆記して内容の理解に努める。
 パワーポイントやDVD等の映像をカメラ等により撮影・録画してはならない。この禁を犯した場合は不正行為と見なして不合格とする。
・授業時間外学習へのアドバイス
 キーワードや授業で習った内容に関連することを図書館やインターネットで自分なりに調べてみる。例えば、Google Earthで災害現場の様子や災害発生前後での地形等の変化を確認してみるのもよい。

【成績の評価】
・基準
 自然災害とそれをもたらす地質プロセスに関する基本的な概念や用語を正しく理解していることを合格の基準とする。
・方法
 レポートを3〜5回課し、得点の合計を100点満点に換算して評点とする。
 5回を超えて欠席した場合は、理由の如何によらず不合格とする。

【テキスト・参考書】
 池谷 浩「土石流災害」岩波新書1999年
 千木良雅弘「災害地質学入門」近未来社1998年
 佃 為成「地震予知の最新科学:発生のメカニズムと予知研究の最前線」サイエンス・アイ新書2007年
 Keller, E. A., Introduction to Environmental Geology, Fifth Ed. Prentice Hall, 2012.

【その他】
・学生へのメッセージ
 高校で地学を学んでいない学生にも理解できるように配慮する。

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