教育文化研究法
 Methods of Educational Inquiry in the Elementary School
 担当教員:江間 史明(EMA Fumiaki)
 担当教員の所属:大学院教育実践研究科
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
日本の小学校教師のもつ実践知(技)のレパートリーを学ぶことを通して、教職(小学校)への理解を深める。
・授業記録論の基礎を学び、模擬授業や小学校の授業を記録する活動を通して、子どもの学びの事実に目を向けることをトレーニングする。
・世代が異なる教師のライフヒストリー・インタビューを行い、それをもとに小学校教師のライフコースと実践知の成長について理解する。
・到達目標
・小学校の授業を記録する基礎的方法を身につけ、子どもの学びの事実に目をむけることの意義を理解する。
・小学校教師における実践知の成長について、理解する。
・キーワード
授業記録、ライフヒストリー、実践知、小学校教師

【科目の位置付け】
教科又は教職に関する科目(小学校教諭免許状のみ)。山形という地域に根ざした教師としての使命感や実践力を身につけるための基礎を培う。

【授業計画】
・授業の方法
附属小学校での参観やライフヒストリーのインタビューなどを組み込んで授業をすすめる。
・日程
第1回:オリエンテーション。自分の被教育経験をふり返る(小中高でプラスの意味で記憶にのこる授業と教師)。
第2回:おつりの計算と3人の教師。算数(たし算)の事例から、子どもの事実に「理」(ことわり)を見出す意味を考える。
第3回:授業記録論の基礎。授業導入の8分間の記録をとり、授業記録の基礎を演習する。
第4回:授業記録の演習 授業ビデオもしくは模擬授業を見ながら記録を作成し、解釈を加える。
第5回:附属小学校の授業を参観し、授業を記録する。
第6回:附属小学校の授業記録にもとづくひとつのエピソードをとりあげたレポートを相互に検討する。
第7回:戦後教育史を概観し、教師が生きてきたライフコースと、その時代の教育課程の特徴を講述する。
第8回:40代の教師を招いて、20代から学んできた実践や子どもの姿について、学生の前でインタビューを行い、教師のライフコースを考える。
第9回:『教師として生きるということ』の対談を読んだ感想と質問づくりを行う。
第10、11回:元校長先生をまねいて、学生の前でライフヒストリーのインタビューと質疑応答を行い、教師としての考え方や実践知の成長について、考える。
第12回:若手教師を招いて、教師になったころの実践や課題について、学生の前でインタビューを行い、初任教師の課題を考える。
第13回:3人の教師から学んだことをレポートし、それを相互に検討する。
第14回:すぐれた教師の条件とは(資質的に)についてのワールド・カフェ。
第15回:最終のふり返りレポートとその解説

【学習の方法】
・受講のあり方
授業参観やインタビューについては、欠席がないようにすること。やむをえず欠席する場合は、「参考書」の項の加算レポートに取り組むこと。「公欠」の扱いはない。
・授業時間外学習へのアドバイス
ルーズリーフではなく、授業やインタビューの記録を書きとめるノート(B中横罫、40枚)を各自用意すること。
授業の各回ごとに、終了後に省察をノートに書きとめていくようにすること。

【成績の評価】
・基準
以下の観点にのっとり、総合的に判断し評価する。
・授業記録が、子どもの学びの経験をとらえ、解釈する手立てであることを理解しているか。
・小学校教師のもつ実践知のレパートリーとその成長を理解しているか。
・授業記録やレポートの相互検討に、積極的に参加しているか。
・方法
講義内容へのコメント(5回)、模擬授業へのコメント(1回)、附属小の授業記録と考察レポート(1回)、附属小の授業記録と考察のふり返り(1回)、ライフヒストリーのふり返りレポート(1回)、最終ふり返りレポート(1回)を評価の材料とする。

【テキスト・参考書】
テキスト
江間史明・吉村敏之『新しい学びの潮流5 教師として生きるということ』ぎょうせい、2014年
参考書
次を加算レポートの文献とする。加算レポートは、やむをえない事情で講義を休んだ時の措置である。平田オリザ『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か』講談社現代新書、2012年、740円
加算自主レポートは、本書を読み、2箇所引用し、各々の引用について考察した内容を書く(2000字以上)

【その他】
・オフィス・アワー
前期水曜、後期木曜 11時から13時、地域教育文化学部2号館、江間研究室

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