造形文化論
 Art and Culture
 担当教員:小林 俊介(KOBAYASI Syunsuke)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科造形芸術コース
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
近代日本美術史の概説を試みます。幕末期の洋風画受容から明治期の「美術」概念の受容・成立を経て、大正期以降の前衛的美術や商業美術、プロレタリア美術における「生活と美術」の問題、昭和戦前期の美術における社会性の問題へと議論をすすめていく予定です。
人名や作品、美術運動や歴史的事項を覚えることはもちろん重要ですが、それ以上に、わが国において「美術」という近代的・西欧的概念・制度が明治期以降どのように受容され、それが今日のわれわれの思考や制作にどのように影響を及ぼしているのかを考えることが何よりも重要です。わたしたちの考える「美術」のルーツをふりかえることにより、自らの思考や制作を考え直すのがねらいといえましょう。
・到達目標
わが国における「美術」概念が文化全体のなかでどのように定着したのか,事例にもとづいて説明できる。
・キーワード
美術,芸術,国民国家,幕末洋風画,西洋画,日本画,彫刻,彫塑,デザイン,工芸,近代日本

【科目の位置付け】
地域教育文化学部の中心科目であり、地域社会の「文化」の伝達・醸成・発展に貢献し得るような専門的知識を授けるとともに、総合的判断力や課題解決能力を養成するものである。(地域教育文化学部ディプロマ・ポリシー)

【授業計画】
・授業の方法
講義。グループ発表を課す。
・日程
・1 はじめに/幕末洋風画-遊戯と究理
・2 初期洋画-「写真」の時代
・3 工部美術学校と明治中期の洋画
・4 洋風彫刻,東京美術学校と日本画・木彫,輸出工芸
・5 文展の開設
・6 明治の日本画,明治・大正の彫刻
・7 大正期の洋画
・8 大正期の洋画と日本画
・9 大正期新興美術
・10 パリ・ニューヨーク,東京-都市を描く
・11 昭和期の美術
・12 プレゼンテーション(1)
・13 プレゼンテーション(2)
・14 プレゼンテーション(3)
・15 まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
ウェブクラスに掲示する資料をあらかじめダウンロードし内容の理解に努める。
グループ討議や発表の準備に積極的に参加する。
・授業時間外学習へのアドバイス
関連する世界史,日本史的事項の理解に努め、提示した作品や美術運動,動向などを画集や参考書等で復習するとともに,できうる限り美術館等で実作を鑑賞するようつとめる。

【成績の評価】
・基準
毎回短文の「コメント」を書いてもらい、参加意欲態度を評価します。
期末レポートを中心に理解度を評価しますが、授業態度,随時課する選択課題を提出したものも総合的に評価します。適宜グループ発表を課します。
・方法
レポートおよびコメント・提出課題(70%)、プレゼンテーション(30%)を総合的に評価する。

【テキスト・参考書】
教科書:
○小林俊介・奥山結香『イラスト解説 近代日本美術史』奥山アートワークスデザイン、2014

参考書:
○井関正昭『日本の近代美術・入門』
○『日本美術館』(小学館)
○大月書店「近代日本の美術」シリーズ
ほか、適宜紹介する。

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