【授業概要】
・テーマ
言葉は、生きる力である。人は、言葉によって、考え、想像する。自己を表現したり、コントロールもする。また、言葉は人と人とをつなぐ。こうした言葉の基礎は、乳幼児期に育まれる。それゆえ、この時期に子どもと関わる保育者の役割は、非常に重要である。 本講義では、子どもが生き生きとした言葉を獲得していくための保育のあり方について考えていく。 具体的には、言葉の発達のみちすじをしっかりと押さえた上で、子どもの言葉の発達について、環境の構成、保育者の言葉・援助、保育教材(特に絵本)の3点から学んでいく。
・到達目標
1) 子どもの言葉の発達の基礎を理解する。 2) 「言葉」の領域の歴史的変遷について学ぶことを通して、言葉を育てる環境構成、保育者の援助について考える。 3) 言葉を育む教材の1つである「絵本」について理解し、保育への用い方を考える。
・キーワード
保育、言葉、絵本
【科目の位置付け】
幼稚園教諭免許取得の必修科目
【授業計画】
・授業の方法
以下の計画に従って行う。
・日程
第1回:オリエンテーション:「保育」とは何か 第2回:「絵本」を読んでみよう!(1)(演習) 第3回:保育における言葉:「言葉」の領域とは?(1) :「幼稚園教育要領」・「保育所保育指針」の歴史的変遷 第4回:保育における言葉:「言葉」の領域とは?(2) :現行の「幼稚園教育要領」・「保育所保育指針」 第5回:子どもの言葉の発達のみちすじ(1):話し言葉(発達の基盤と問題) 第6回:子どもの言葉の発達のみちすじ(2):話し言葉(1次的ことばと2次的ことば) 第7回:言葉を育てる保育教材(1):ふれあいあそび 第8回:子どもの言葉の発達のみちすじ(3):書き言葉(発達の基盤と問題) 第9回:子どもの言葉の発達のみちすじ(4):書き言葉(個人差とその解消過程・援助) 第10回:言葉を育てる保育教材(2):書き言葉を育む教材 第11回:言葉を育てる保育教材(3):カルタの製作 第12回:言葉を育てる保育環境(1):物理的環境 第13回:言葉を育てる保育環境(2):人的環境(保育者) 第14回:「絵本」を読んでみよう!(2)(演習) 第15回:まとめ
【学習の方法】
・受講のあり方
・授業時間外学習へのアドバイス
【成績の評価】
・基準
子どもの言葉の発達の概略を説明できる。言葉を育てる保育者の援助を具体的に提案できる。
・方法
授業のテーマごとにミニレポート(感想・意見・質問)の提出を求める。このミニレポート(40%)と最終日のテストの成績(60%)を併せて、総合的に評価する。
【テキスト・参考書】
教科書:『子どもの育ちと「ことば」』 松川利広・横山真貴子(編) 保育出版社 参考書: ・無藤 隆(監修)(2008) 事例で学ぶ保育内容 領域「言葉」 萌文書林 ・今井和子(2000) 表現する楽しさを育てる保育実践・言葉と文字を育てる保育 小学館 ・岡本夏木(1985) ことばと発達 岩波新書 ・無藤 隆 編(2001) 幼児の心理と保育 ミネルヴァ書房 ・内田伸子(1999) 発達心理学:ことばの獲得と教育 岩波書店
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