漢文学講読Ⅰ
 Reading in The Sino-Japanese Classics Ⅰ
 担当教員:三上 英司(MIKAMI Eiji)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科異文化交流コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
○漢文読解の基礎的な技能を身につける。
○歴史的背景を踏まえて漢文を鑑賞する読解力を身につける。
○漢文が日本文化に与えた影響を理解し、古典学習の今日的な意義を論理的に説明する。
○古典に記録される人間との比較を通して現代人の感性や思考について理解を深める。
・到達目標
○基本的な訓読技術を身につけ、比較的短い漢文を読解できるようになる。
○歴史的な背景を踏まえて古典学習の意義を具体的に説明できるようになる。
○漢文が日本文化に与えた影響を踏まえて現代日本人の感性や思考の特徴について説明できるようになる。
・キーワード
『論語』 「知行合一」 君子

【科目の位置付け】
この講義は、漢文学の基礎的な読解力を養成することを通じ、東アジア地域共通の古典である『論語』の内容を理解し、日本人の文化的特性を把握するものである。

【授業計画】
・授業の方法
毎回、『論語』の章句からテーマを設定して講読を進める。
訓点付き漢文を自力で読解できる能力を養成するとともに、漢文学を通じて自分自身を振り返る視点を獲得してもらいたいと考えている。
・日程
第1回  古典の定義と古典に触れる意義
第2回  訓読の基本技術 「論語」成立概説
第3回  「直」という概念と「徳」との関係
第4回  「知」という概念と「徳」との関係
第5回  音読と朗読の違い  暗唱と素読の意義
第6回  「学」という概念と「徳」との関係
第7回  「和」・「楽」という概念と「徳」との関係
第8回  「書き下し」と「暗唱」の演習
第9回  「勇」という概念と「徳」との関係
第10回 日本文化と『論語』
第11回 朱子学と陽明学
第12回 子路・子貢・顔淵について
第13回 「知行合一」と「学」との関係 
第14回 君子という生き方 
第15回 現代社会における「仁」

【学習の方法】
・受講のあり方
テキストを購入し、漢和辞典とともに持参して質問・課題・討議に積極的に取り組む。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義録を踏まえながら参考書などを比較し、『論語』解釈の様々な先行例を知ることによって自分の言葉で現代語に訳せるように工夫する。

【成績の評価】
・基準
①訓点付きの漢文を正確に書き下し文にできることは合格の最低要件。
②日本人の感性や価値観の土台となっている概念についての理解ができていることを合格の基準とする。
③古典学習の今日的な意義と古典への接し方について説得力ある意見を有する場合、高く評価する。
・方法
レポートによって行う。
*「孔子の人物像」に関する内容

【テキスト・参考書】
テキスト:『標注 論語集註』(渡邊末吾著 武蔵野書院)
参考書 :『論語』(金谷治訳注 岩波文庫)『論語』(吉川幸次郎訳注 朝日選書)『現代語訳 論語』(宮崎市定訳注 岩波現代文庫)『論語』(加地伸行訳注 講談社学術文庫)

【その他】
・学生へのメッセージ
文化交流・日本語教育・国語科教育・比較文学を学びたい学生の履修を予定していますが、履修当初は漢文訓読ができなくても大丈夫です。他分野を学ぶ学生の履修も歓迎します。

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