英米文学と文化演習
 English and American Literature, English and American Culture
 担当教員:金子 淳(KANEKO Jun)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科異文化交流コース
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
・エリザベス朝からヴィクトリア朝までの、四季をうたった代表的英詩の学習を通して、イギリスの自然の特徴とイギリス人の自然観を把握する。・イギリス人の自然観と密接に関わる文化や歴史の諸相(宗教や産業革命、農業革命、都市の発達、庭園観など)について理解を深める。・授業で得られた知見を、日本人の自然や都市についての考えと比較することにより、イギリス文化についての認識を育む。・自然に関する情感の英語表現について理解を深めていく。
・到達目標
・四季を扱った英詩を各季節3篇ずつ、演習形式で取り上げていく。取り上げる各詩に関して、注目すべき文化的事項を学期の初めに一覧表にして配布するので、発表者はそれに対する回答を準備して授業に臨む。
・キーワード
 英米文学 英米文化 演習

【科目の位置付け】
 この科目は、異文化交流コースの以下のカリキュラム・ポリシーに基づいている。2.「文化・教養:欧米・アジアと日本の歴史・思想・文化をバランスよく学び,地域における異文化間交流に貢献できる能力を涵養する」。3.「問題発見・解決能力:課題研究,演習やフィールドワークを通じて,学生自ら問題を発見し,個々人または共同でその解決までの論理的道筋を見いだす能力を獲得する」。4.「多面的素養:複数の言語運用能力を備え文化交流や日本語教育に貢献できる者,国際的視野を身につけた国語科・社会科・英語科の教育者を育てる。

【授業計画】
・授業の方法
・授業を前半(2-7回)と後半(9-14回)に分け、それぞれにおいて6篇の詩を扱う。6篇ごとにまとめの時間を設けて、それらの詩の内容について質疑応答をし、理解を深める。
・日程
第1回:イントロダクション。韻律や比喩的表現など、英詩理解に必要な基礎的知識を講義するとともに、注目すべき文化的事項の一覧表を配布し、授業の進め方を説明する。第2回:第2回から第4回は春の詩を扱う。第2回目はジョージ・ハーバートの"The Flower"を取り上げる。第3回:ウィリアム・ワーズワスの"I Wander'd Lonely as a Cloud"を取り上げる。第4回:ロバート・ブラウニングの"Home-Thoughts from Abroad"を取り上げる。第5回:第5回から第7回は夏の詩を扱う。第5回目はウィリアム・シェイクスピアのソネット"Shall l Compare Thee to a Summer's day?"を取り上げる。第6回:ジョン・ミルトンの"L'Allegro" 41-64行を取り上げる。第7回:ウィリアム・クーパーの"The Poplar Field"を取り上げる。第8回:前半で扱った6篇について、発表者の発言をもとに、そこから窺われる文化的特徴について質疑応答をする。第9回:第9回から第ll回は秋の詩を扱う。第9回目はジョン・キーツ"To Autumn"を取り上げる。第10回:ジェイムズ・トムソンの『四季』から。"Autumn" 988-1003行を取り上げる。第11回:トマス・グレイのElegy in a Country Church-Yard 1-24行を取り上げる。第12回:第12回から第14回では冬の詩を扱う。第12回目はマシュー・アーノルドの"Dover Beach"を取り上げる。第13回:ジョン・ミルトンの On the Morning of Christ's Nativity の29-52行を取り上げる。第14回:アルフレッド・テニスンの In Memorium 第106篇の20行を取り上げる。第15回:後半で扱った6篇について、発表者の発言をもとに、そこから窺われる文化的特徴について質疑応答をする。前半と後半を総合して、イギリス人の自然観などについて意見交換をする。

【学習の方法】
・受講のあり方
 この授業は、小学校・中学校・高校までの授業とは異なり、先生が一方的に教えるのではなく、先生と学生さんとが一緒になって作り上げていく授業です。授業の際には、きちんと調べてきて、授業内では積極的に発言をするように心がけてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
 英米文学・英米文化・ヨーロッパ文化に関連する本を、たくさん読むようにして下さい。読書量の豊さが最終的に、力の差となって表れてきますので、がんばってください。

【成績の評価】
・基準
以下の観点から、レポートと授業での発表内容を、総合的に判断して評価する。・取りあげた詩の自然観などの文化的側面を正しく理解しているか。・詩の英語を正しく理解できたか。・演習や設定された課題に対して、参考書にあたるなどして、意欲を持って積極的に取り組んだか。
・方法
 授業内で課す課題40% + レポート40% + 授業参加20%で評価します。
 上記の60%以上の得点を合格とします。

【テキスト・参考書】
「テキスト」Peter Milward (ed.), Seasonal Poems of England (南雲堂、1980)
「参考書」加藤憲市、『英米文学植物民族誌』(冨山房、1976) 土居光知、福原麟太郎、山本健吉(監修)、『英語歳時記』(研究社、1978)
桝田隆宏、『英米文学の烏たち』(大阪教育図書、2004)

【その他】
・学生へのメッセージ
 自分で調べて、発表するという活動を通じて、卒業研究への足がかりとして下さい。
・オフィス・アワー
 授業の際にお知らせいたします。

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