【授業概要】
・テーマ
世界の優れた絵本の中に潜む造形要素・造形秩序を分析し、視覚表現性について学習する。種々の課題演習を体験・実践することにより、自らそこに何かを感じ取り、造形に対する感覚・直感力を養いながら造形思考力に磨きをかける。
・到達目標
造形感覚、造形発想力の養成をテーマとし、視覚原理である造形要素(造形言語)、造形秩序(造形文法)を理解した上で、自ら考え、造形に対する柔軟な思考能力を育てることを目標とする。造形要素、造形秩序を学び、感覚だけでなく客観的な見方や捉え方ができる造形的力を養う。また素材作り(色紙作り)のなかでモダンテクニックを取り上げ、造形表現手法(技法)を習得する。
・キーワード
造形要素(造形言語)・造形秩序(造形文法)・造形表現手法(技法)
【科目の位置付け】
造形表現と理論に関する専門科目。中学校・高等学校一種免許状(美術)および高等学校一種免許状(工芸)取得の選択科目
【授業計画】
・授業の方法
絵本を切り口にデザインの基本的な造形能力を修得していく。
・日程
第1回:造形要素について解説(点、線、面、光、造形運動、素材など) 第2回:造形秩序について解説(バランス、リズム、ハーモニーなど) 第3回:世界の絵本の視覚表現(導入:絵本に見られる造形要素、造形秩序) 第4回:エリック・カールの絵本(コラージュ:「部分と全体」の関わり) 第5回:絵本制作1(色紙作り:ドリッピング、フロッタージュ、スパッタリングなど) 第6回:絵本制作2(色紙作り:デカルコマニー、マーブリングなど) 第7回:絵本制作3(色紙作り:スクラッチ、スタンピングなど) 第8回:絵本制作4(ストーリー考察) 第9回:絵本制作5(制作した色紙を用いてコラージュ:絵作り1) 第10回:絵本制作6(制作した色紙を用いてコラージュ:絵作り2) 第11回:絵本制作7(制作した色紙を用いてコラージュ:絵作り3) 第12回:絵本制作8(製本・完成) 第13回:ロバート.サブダの絵本(仕掛け絵本の仕組みを解説) 第14回:ポップアップカードの制作 第15回:講評
【学習の方法】
・受講のあり方
デザイン基礎で学んだことを踏まえて、より実践的な造形表現を心がける。
・授業時間外学習へのアドバイス
世界各国のたくさんの絵本をできるだけ時間外に鑑賞しておくこと。
【成績の評価】
・基準
課題に対する理解力 50点、造形能力 50点 計 100点
・方法
課題(コラージュ絵本、ポップアップカード)の制作過程、提出作品などによる総合評価。
【テキスト・参考書】
特にテキストは用いない。適時、プリントを配付する。
世界各地の視覚表現性に優れた絵本 「絵本デザイン」南雲治嘉著(グラフィック社)
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