スポーツバイオメカニクス
 Sports Biomechanics
 担当教員:井上 功一郎(INOUE Koichiro)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科スポーツ文化コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
スポーツバイオメカニクスを理解する上で不可欠な解剖学や筋-神経生理学の基礎(講義)。
力学の基礎に関する解説と、実際のスポーツ動作への応用(講義)。
自分自身の運動の撮影とそのバイオメカニクス的分析(演習、レポート)。
・到達目標
スポーツバイオメカニクスの分析に必要な力学の基礎を習得し、スポーツ動作と力学との関係性について理解する。
スポーツバイオメカニクスにおける測定方法(特に動作撮影)の流れと正しい分析手順を理解する。
実際のスポーツ動作の分析を通して、運動をバイオメカニクス的に評価することのパフォーマンス向上およびスポーツ指導に対する有用性を理解する。
・キーワード
筋生理学、解剖学、力学、動作分析

【科目の位置付け】
本授業は、スポーツ文化コース内の基礎科目であり、中学・高等学校教諭免許状(保健体育)取得における必修科目である。学校体育や課外活動、スポーツクラブ等においてバイオメカニクス的観点からスポーツを指導できる資質を身につけるものである。

【授業計画】
・授業の方法
講義・演習
・日程
第1回:スポーツバイオメカニクスの概要とその意義
第2回:解剖学の基礎 -筋・骨・関節の構造とその運動-
第3回:筋のメカニクス -筋の特性と筋収縮のメカニズム-
第4回:神経のメカニクス -中枢(脳・脊髄)と末梢(筋)の関係性と運動の調節-
第5回:スポーツバイオメカニクスにおけるデータ取得方法、キネマティクスとは -変位・速度・加速度-、運動の法則
第6回:キネティクスとは -力・モーメント-、並進運動のキネティクス(1) 運動量と力積 -スポーツにおける衝突現象への応用-
第7回:並進運動のキネティクス(2) 力学的エネルギー・仕事・パワー -スポーツ動作への応用-
第8回:回転運動のキネティクス 角運動量と慣性モーメント -スポーツにおけるスイングや回転動作への応用-
第9回:人体のてこ -筋の発揮張力-、効率的な動作のバイオメカニクス -運動連鎖-
第10回:動作分析の実際 -スポーツ動作の撮影-(演習)
第11回:投射体の運動 -初速度・投射角度・投射体まわりの流体力-
第12回:投射体運動の分析の実際 -映像からの速度・角度の算出-(演習、レポート)
第13回:重心の意味とスポーツ動作分析への応用
第14回:身体重心の分析の実際 -自分の身体重心位置の算出-(演習、レポート)
第15回:最終テスト(まとめ)の実施およびその解説

【学習の方法】
・受講のあり方
スポーツバイオメカニクスはスポーツ動作を力学的手法で科学的に分析し、その構造を客観的に理解する学問である。体育・スポーツを専門的に学ぶ者としてスポーツ動作を客観的に捉える視点を身につけるために、積極的な受講を求める。
・授業時間外学習へのアドバイス
各自行う。
欠席した場合は速やかに配布資料を入手し、内容の理解に努めること。演習で分析作業が遅れた場合には翌週までに分析を終わらせておくこと。

【成績の評価】
・基準
基本的な力学的諸変量の意味を正しく理解し、スポーツ動作分析への応用ができたか。
演習を積極的に行い、正しい手順でスポーツ動作を分析することができたか。
動作分析の結果を適切にまとめ、その内容について力学的に考察することができたか。
・方法
上記の評価基準を用いて、レポートおよび最終テストの内容を中心に、総合的に判断し評価する。

【テキスト・参考書】
プリントを作成し配布する。

【その他】
・学生へのメッセージ
積極的な授業参加姿勢を求める。
演習回では履修者に実際に運動をしてもらうことがある。

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