理科教育法A
 Methodology of Science Education A
 担当教員:鈴木 宏昭(SUZUKI Hiroaki),今村 哲史(IMAMURA Tetsunori)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
中学校理科の内容を科学的・論理的に考察することにより,中学校理科の目標である「科学的な見方や考え方」を実感する。
理科教育における教授法の基本である「科学の方法」,中学校の理科で取り扱う科学的な概念,及び観察・実験に必要な基本的知識・技能を解説する。これらを通して,中学校理科を構成している教材の科学的背景を理解するための基礎知識を身につけさせ,理科教育に対する実践的指導力を育成する。
・到達目標
中学校理科で取り扱う自然現象について,自分の「誤概念」を踏まえ自然科学概念に基づき論理的に説明できるようになるとともに,中学校における理科教育の最終目標である「科学的な見方や考え方」について理解し,観察,実験の結果を分析して解釈する能力や日常的現象を論理的に説明する能力を身に付ける。
・キーワード
中学校理科,理科の目標・内容,理科の指導方法,自然科学的な見方・考え方

【科目の位置付け】
中学校・高等学校教諭一種免許状取得のための科目(教科の指導法)

【授業計画】
・授業の方法
授業の最初に課題を提示し,その課題を学生と考えていく演習的学修を通して,誤概念や自然現象の不思議さに気付くともに,「科学の方法」を実感できるように展開する。
・日程
第1回:中学校理科の目標及び第1分野と第2分野の目標とその特徴と「科学の見方や考え方」について
第2回:中学校理科の内容構成の柱,「エネルギー」「粒子」「生命」「地球」における基本的自然科学概念と誤概念
第3回:「生命」における基礎的概念,植物の形態(花の構造と果実)と誤概念
第4回:「生命」における基礎的概念,植物の形態(種子の構造と芽生え)と誤概念
第5回:「生命」における基礎的概念,植物の分類(単子葉植物と双子葉植物,離弁花と合弁花)と誤概念
第6回:「生命」における基礎的概念,酸素の働きと誤概念
第7回:「粒子」における基礎的概念,水溶液の「濃度」と誤概念
第8回:「粒子」における基礎的概念,「中和と中性」における誤概念
第9回:「粒子」における基礎的概念,試薬の調製法(種々のガラス器具の取り扱い方)
第10回:「粒子」における基礎的概念,「酸化と還元」における誤概念
第11回:「エネルギー」における基礎的概念,「明るさと電力」における誤概念
第12回:「エネルギー」における基礎的概念,「オームの法則」における誤概念
第13回:「エネルギー」における基礎的概念,「虚像と実像」における誤概念
第14回:「地球」における基礎的概念,「月の運動と見え方」における誤概念
第15回:自分の誤概念と自然科学概念への変容ついてのプレゼンテーション、
     授業のまとめ(期末レポートの課題の提示を含む)

【学習の方法】
・受講のあり方
中学校理科で教える内容について,大学で教える知識レベルで説明ができるように努力する。
・授業時間外学習へのアドバイス
板書事項を羅列したノート整理ではなく,自分で調べて,行間を埋めるようなノート造りをする。

【成績の評価】
・基準
中学校理科における分野の目標とその特徴を理解し,「科学の見方や考え方」との関連を説明できる。
・中学校理科の内容において抱きやすい誤概念を自然科学概念で正しく説明できる。
・中学校理科の内容の背景となっている基本的な自然科学概念を論理的に活用できる。
・授業への取り組みが積極的である。
・方法
評価の観点に則り,レポート及びプレゼンテーションの結果をもとに評価する。
評価の配点割合は、レポート80%、プレゼンテーション20%とする。

【テキスト・参考書】
[テキスト]中学校学習指導要領解説 理科編(平成20年)大日本図書[参考書] 中学校理科の教科書

【その他】
・学生へのメッセージ
これまでの知識を再構築させるために,「どうして,そのように考える?」を連発した授業になるので,難しいように感じるかもしれないが,「科学の見方や考え方」の基本なので頑張ること。
・オフィス・アワー
木曜日:10:30~12:00(研究室),その他については授業の中で連絡する。
連絡先:hsuzuki@e.yamagata-u.ac.jp

21151900-2016-08-27530