【授業概要】
・テーマ
本授業では、社会科学におけるリサーチ・デザインの設計を学ぶ。人間社会における様々な問題の原因をいかに推論すれば良いかという問題に関する研究方法を紹介する。そこでは、統計データやテキスト解釈などの様々の研究方法のスキルを習得する。
・到達目標
(1) リサーチデザインの学習をとおして、社会科学の学問的方法を理解する。 (2) 定量研究(統計データ分析)と質的研究(比較事例研究・単一事例研究)の方法を学ぶ。 (3) 統計データの集計と分析、テキストの解釈の両方を学ぶ。
・キーワード
リサーチデザイン、推論、因果関係、定量研究、質的研究、基礎統計、量的調査
【授業計画】
・授業の方法
・日程
(1) 社会科学の類型:社会科学研究は何をどのように分析するのか (2) 何を分析するのか:リサーチ・デザインの設定 (3) 原因をどう推論するのか:因果関係と仮説形成の条件 (4) 仮説の立証:分析単位の選択、分析の基準と妥当性 (5) 記述的推論(1):基礎概念と推論の条件 (6) 記述的推論(2):戦略、指標、類型 (7) 因果関係を推論する:因果関係の条件と分析 (8) 因果関係の推論の戦略 (1) :XとYの関係をいかに理論化すればよいか (9) 因果関係の推論の戦略 (2) :XとYを超えて因果関係をいかに理論化すればよいか (10) 因果関係の推論への異なるアプローチ:質的比較分析、過程追跡法 (11) 定量的研究と質的研究はどう異なるか (12) 比較事例研究の方法 (13) 単一事例研究の方法 (14) 社会調査の基礎:調査の目的と意義、調査の設計とデータ分析、調査の倫理 (15) 総括:政治学と方法論
【学習の方法】
・受講のあり方
テキストに沿って授業を行うので、毎回の授業でテキストを持参すること。疑問点やコメントに関して積極的に発言すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
テキストと授業ノートを用いながら予習・復習を必ずすること。
【成績の評価】
・基準
期末レポートの提出と出席回数、さらに各授業でのレスポンス用紙の提出によって評価する。
・方法
期末レポート50%、授業参加30%、レスポンス用紙20%で評価する。
【テキスト・参考書】
テキスト(1):久米郁男(2013)『原因を推論する』有斐閣。 テキスト(2):轟亮・杉野勇 (2013)『入門・社会調査法』法律文化社。 参考書:高根正昭 (1979)『創造の方法学』講談社現代新書。
【その他】
・学生へのメッセージ
本授業は、定量研究・質的研究への入門であるため、政治学・社会学における方法論の学習につながるものであり、この学問をより学びたい人はテキストを購入することを勧める。
・オフィス・アワー
希望者は講義後に申し出ること。
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