界面物理化学特論
 Advanced Interfacial Engineering
 担当教員:木俣 光正(KIMATA Mitsumasa),野々村 美宗(NONOMURA Yoshimune)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)システム創成工学分野
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:物質化学工学専攻  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
ナノ~ミクロンオーダーのコロイドやスラリーの分散挙動とその界面で起こる現象について講義する。特にコロイドやスラリー中の粒子に着目した分散・凝集のメカニズムをDLVO理論をもとに解説するとともに,界面活性剤や両親媒性分子を用いた界面物性の制御方法についての講義を行う。さらに,マイクロ空間を利用したナノ粒子合成プロセスや医薬品・食品・化粧品への応用事例を学び,ナノ粒子を支配する因子や界面で起こる特別な現象を理解する。
・到達目標
(1)ナノ~ミクロンオーダーのコロイドや物質の界面で起こる現象について理解できるようになる。(2)粉体の基礎物性や、粉体に着目した分散・凝集のメカニズムであるDLVO理論について理解できるようになる。(3)界面活性剤や両親媒性分子を用いた界面物性の制御法を理解できるようになる。(4) これら基礎事項と生体現象との関連や医薬品・食品・化粧品への応用事例と結びつけることができる。
・キーワード
コロイド,スラリー,粉体,分散,界面,ゼータ電位,DLVO理論,界面活性剤,エマルション,液晶,泡

【科目の位置付け】
本科目は,主に学習・教育目標「A.地球環境と融和できる化学技術者・研究者の養成」に対応する。

【授業計画】
・授業の方法
授業で使用する資料は当日配布する。講義を行った後,関連する演習を行う。
・日程
第1回 イントロダクション(コロイド・スラリーとは)
第2回 粉体の性質,測定方法
第3回 粉体の力学的特性
第4回 粉体の合成,吸着
第5回 ゼータ電位,DLVO理論
第6回 コロイド・スラリーの分散安定化技術
第7回 コロイド・スラリーの産業界への利用
第8回 界面活性剤の特性
第9回 エマルション
第10回 可溶化・液晶
第11回 泡
第12回 食品への応用
第13回 化粧品への応用
第14回 医薬品への応用
第15回 エネルギー・IT分野への応用

【学習の方法】
・受講のあり方
この講義は応用事例と結びつけることにより,理解が深まる。この講義と学部で得られた知識と組み合わせて,想像力を鍛えてほしい。
・授業時間外学習へのアドバイス
課題(宿題)はできる限り自力でやること。他人のレポートを写す等の行為は,将来の自分にとってマイナスでしかない。ただし,教員への質問,友人との議論は問題ない。

【成績の評価】
・基準
前半と後半に分け,毎回行う演習またはレポートに基づいて目標の理解度を評価する。前半と後半それぞれ60点以上を合格とする。
・方法
前半と後半それぞれ100点満点とし,これらの点数を平均して,点数を算出する。

【テキスト・参考書】
椿淳一郎,鈴木道隆,神田良照著:「入門 粒子・粉体工学」,日刊工業新聞社(2004)
J.N.イスラエルアチヴィリ著,近藤保/大島広行訳:「分子間力と表面力 第2版」,朝倉書店(2002)
北原文雄,古澤邦夫著:「分散・乳化系の化学」工学図書(1979)
粉体工学会編:「粉体工学叢書 第1巻 粉体の基礎物性」日刊工業新聞社(2005)
粉体工学会編:「粉体工学叢書 第4巻 液相中の粒子分散・凝集と分離操作」日刊工業新聞社(2010)

【その他】
・学生へのメッセージ
わからない専門用語を放置せず,質問したり,参考書を見たり,インターネットで検索するなど,積極的に行動すること。
・オフィス・アワー
木俣光正:水曜日:16:00~17:00,工学部3号館1209号室
野々村美宗:水曜日:16:00~17:00,工学部3号館3105号室

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