【授業概要】
・テーマ
有効な情報を、いかに多く抽出するかが、計測において最も重要である。一般的に、得られた測定結果から、想定したモデルを前提に、モデルのパラメータ、もしくはモデルへの入力値を求めることになる。このとき、測定値からの逆算モデルを決めることができればよいが、一般的には厳密な逆算モデルの作成は困難で、統計手法による逆算や、パラメータなどを様々に設定し、測定結果に一致する結果を得るシミュレーション探索などが行われる。このシミュレーション探索を網羅的に行う方法として逆方向シミュレーションが考案されている。今年度は、その逆方向シミュレーションの技術と効果を学ぶ。
・到達目標
対象のモデル、測定方法と測定誤差・精度などの計測の基礎の理解、逆問題解法の概要把握、逆方向シミュレーションで必要となる技術要素についての理解、そして簡単な課題での逆方向シミュレーションの活用経験を得ることを目標とする。
【授業計画】
・授業の方法
基本事項に関する講義、各自による机上およびプログラムによる演習と報告で構成する。
・日程
第1週 導入、測定と不確かさ 第2週 測定対象のモデル 第3週 逆問題解法 第4週 統計的方法とモデル推定 第5週 机上課題演習 第6週 シミュレーションによる推定 第7週 逆方向シミュレーションの考え方 第8週 逆方向モデル、数値モデル 第9週 範囲信号、分岐処理 第10週 逆方向シミュレータと応用 第11週 プログラム課題演習 第12--15週 各参加者の演習結果の検討
【学習の方法】
・受講のあり方
新しい技術的方法の開拓に参加する気持ちで講義に参加してもらうとよい。
・授業時間外学習へのアドバイス
課題に精力的に取り組むこと。
【成績の評価】
・基準
授業概要に示した目標について、60%以上の達成度を合格基準とする。2/3以上の出席が最終評価の条件である。
・方法
課題のとりくみ状況・成果、成果発表・討論、最終レポートを総合して評価する。
【テキスト・参考書】
プリントを配布する予定。
【その他】
・学生へのメッセージ
本講では、新しい技術方法論について、これまでの成果をまとめ、活用可能なものとして提供しようとしている。
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