先端情報通信LSIシステム特論A
 Advanced IT Communication LSI Systems
 担当教員:横山 道央(YOKOYAMA Michio)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)応用生命システム工学分野
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業概要】
・テーマ
昨今無線システムに用いられつつある高周波シリコンCMOS集積回路(RF-CMOS)について、従来のGaAsや有機デバイスとの性能比較をおこないながら技術動向を俯瞰し、無線システム設計の基礎を理解する。デバイス動作原理から応用アプリまでを総括して学び、高周波設計の基盤技術を修得する。
・到達目標
CMOSデバイスの高周波特性ならびにスミスチャートを駆使したインピーダンス整合設計の修得。最新ユビキタスシステムの技術動向を学びつつ、上記修得技術を用いた設計開発力を養う。
・キーワード
RF-CMOS、GaAsデバイス、有機デバイス、スミスチャート、インピーダンス整合、高周波アンプ高効率設計

【科目の位置付け】
高周波集積回路で用いられるシリコンCMOSについて、他のGaAsや有機デバイスと基本的な動作原理を比較しながら理解すると共に、RF-CMOS素子が使われる各種ユビキタスシステムを俯瞰し、その特徴をおさえる。次に、高周波特有の困難さをもつインピーダンス整合などの高効率高周波アンプ設計手法を学び、将来のユビキタスシステム設計について考える素養をやしなう。

【授業計画】
・授業の方法
毎回板書あるいはパワーポイントによる説明と、演習とを組み合わせる。毎回宿題を課す。最後に最終レポートを課す。
・日程
第1回 ガイダンス
第2回 ユビキタスシステム事例1(W-LAN、WiFi、Bluetooth、Zigbeeなどの各種無線規格と事例)
第3回 ユビキタスシステム事例2(健康管理・環境モニタリング等、各種応用システム事例)
第4回 高周波設計とは
第5回 集中定数と分布定数とのλ/40の境界
第6回 RF-CMOSとその他の素子
第7回 RF-CMOSの高周波特性
第8回 スミスチャート
第9回 インピーダンス整合
第10回 性能指数(最大有能電力利得と最大発振周波数とメイソン’s U)
第11回 性能指数(ロードプル測定)
第13回 高周波システム実装技術1(Sパラメータ解析)
第14回 高周波システム実装技術2(電磁界解析)
第15回 総括、まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
受講にあたっては、単に黒板を書き写すだけでなく、原理を理解し応用できるようになる事をこころがける。そのために、毎回習ったことを復習しさらにそれらを応用できるような具体例をいれた宿題を課しているので、よく復習すること。
・授業時間外学習へのアドバイス
GHz帯の種々の無線通信方式の製品やシステム・規格について、調べたり内部で使われている電子素子などについて考える習慣をつける。

【成績の評価】
・基準
高周波特有の設計が必要な条件を理解する。
Sパラメータを理解する。
スミスチャートがわかる。
スミスチャートを用いてインピーダンス整合設計ができる。
高周波アンプの性能指標について理解する。
RF-CMOSの現状とその他の素子の特性を理解する。
・方法
出席点と毎回の宿題の出来具合(約20点)、最終レポートの内容(約80点)で成績を評価する。
配布プリントを中心に進める。

【テキスト・参考書】
配布プリントを中心に進める。

【その他】
・学生へのメッセージ
身の回りの無線機器について興味をもち、中身について調べ、考える習慣をつけよう。
・オフィス・アワー
授業時間の前後の時間帯

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