地域づくり特別演習(二)
 Seminar on Regional Development 2
 担当教員:松本 邦彦(MATUMOTO Kunihiko)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科地域公共政策コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:通年  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分:人文学部共通科目/実践教育プログラム「公共政策スタディーズ」コース基礎学習科目 
【授業の目的】
市民活動の現場を体験し、市民の担う公益活動の課題を知る。
学生もまた地域社会の一員であり、すでに多くの学生が住民として、消費者として、そしてアルバイトなどの労働者として地域に参加しています。そして企業を中心とした営利活動については、アルバイトはもちろんのこと「インターンシップ」として経験もする機会があります。しかし、社会とまちづくりに対する貢献の場はそれだけではありません。本演習では、障がい者支援、在住外国人支援や国際ドキュメンタリー映画祭(2年ごとの開催なので、今年の10月開催!)、若者・子どもの居場所づくり、環境保護関係のNPOや市民グループなど、公共の利益のために非営利活動をしている市民団体の活動に、自分なりの問題意識を持って参加してもらうことで、もう一つの貢献の仕方に気づいてもらいます。

【授業の到達目標】
地域における非営利の市民活動について基礎的な知識を得ることができます。また、その知識を以下の現場にて応用するための思考力を得ることができます。1)NPOやNGOなどで働いたり、ボランティアとして市民活動や町内会に参加するとき。2)会社員としてCSR(企業の社会的責任)活動に携わるとき。3)行政マンとして「市民との協働」をおこなうとき。

【授業概要(キーワード)】
まちづくり。非営利活動。公益活動。市民活動。

【科目の位置付け】
(旧カリキュラムの)人文学部では2年生以上に配当の学部共通科目です(人間文化学科、法経政策学科両方の学生の受講が可能)。また、実践教育プログラム(2015年度入学者までが対象)の「公共政策スタディーズ」コースの履修生にとっては「基礎学習科目」に該当します。

【授業計画】
・授業の方法
まず市民団体、NPOについての初歩的な説明、活動への参加時の留意点などを講義します。その後、各自の希望する団体への参加実習に入ります。
なお先生と受講生、受講生同士の情報共有のために、インターネット(SNS「サイボウズ」)を活用します。
ただし履修指導の都合上、受講生は15人程度として、希望者が多数の場合、履修理由書による選考をおこないます。
・日程
4月~5月:説明会、市民活動についての講義を経て、希望調査のうえ、団体を決定します。6月~7月:受講生各自が団体で実習活動。月一回は各自が中間報告。7月末に個々人の活動内容報告のための期末発表会。
上記の活動と並行して、5月から7月にかけて4回ほど、市民団体一つずつをお招きして、活動紹介と交流会を開催します。また、7月末の「山形市コミュニティーファンド公開プレゼンテーション」にも審査員として応募、参加します。
そして夏休み明けの10月に上記の活動報告会を学内にておこないます(授業自体は終了していますので、発表自体は任意です)。

【学習の方法】
・受講のあり方
明確な問題意識を持ち、積極的・主体的に行動し、メモすることを心がけてください。特には「人の話を聞く(聞き出す)技術とマナー」が重要になってきます。つまりは(1年次の)スタートアップセミナーで習得した技能の実践に努めてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
 実習先の団体によってはインターネットやワープロ、表計算の技能が、期末発表の際にはパワーポイントの技能が必要になりますので、準備(練習)をしましょう。なお、パワーポイントについては授業のときに情報処理実習室(人文棟2階)で講習をおこないます。

【成績の評価】
・基準
事前講習と実習中における実習内容では主に主体的な参加度合いと知識の修得の度合いを評価し、期末発表にて理解の度合いと汎用的技能の修得度合いを総合して評価します。
・方法
事前講習と実習内容で50%、期末の発表会で50%を評定。

【テキスト・参考書】
・テキスト:社会福祉法人大阪ボランティア協会編『テキスト市民活動論:ボランティア・NPOの実践から学ぶ』(社会福祉法人大阪ボランティア協会、2011年、1500円)。また、過去の年度での履修生による活動報告書『NPO体験記』(無料)も配布します(今期は報告書は作成しません)。
・参考書:森 靖雄『新版 やさしい調査のコツ』(大月書店、2005年、2000円)、坂本治也編『市民社会論』(法律文化社、2017年、3200円)。

【その他】
・学生へのメッセージ
上記の「参考書」には、スタートアップセミナー段階のテキストから一歩進んだ聞き取り調査についての参考書を例示しましたが、まず重視すべきことは、実際に体験すること、そして現場の方々から信頼されるよう努めることです。
文献調べやレポート作成の基礎的な技能が必要ですので「スタートアップセミナー」を履修していることが望ましい(必須ではない)。
・オフィス・アワー
金曜日11時から14時まで。その他の時間帯も短時間なら随時可。長くなりそうなら事前にメール等で予約してください。

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