英語の文法をより深く理解することを目的として、①音声学・音韻論、②形態論、③統語論、④意味論、言語習得理論の５分野を概観し、深い理解に有効な基礎的な概念と分析手法を学習するとともに、いろいろな文章の読み聞きを通して学習内容の実践展開を行います。

（１）英語表現の適否を、文法に則って、指摘・説明できる。【知識・理解】
（２）難解と感じる英語表現に対して、文法に基づいた分析・理解を試みることができる。【技能】
（３）文法を踏まえた英語表現作りが実践できる。【態度・習慣】

カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

講義形式の授業です。教員が準備するハンドアウト（講義資料）に基づいて、トピックごとに実例や用法等を見ながら、基礎的な概念と分析法を考察します。

おおむね次の予定で授業を進めます：
1: イントロ（文法研究の目的）
2: 音1（子音の体系、接尾辞-edの発音ルール）
3: 音2（音節、聞こえ度の尺度に基づく音節の数えあげ）
4: 音3（音節の構造、分綴、強勢移動のルール）
5: 語形成1（派生語の基本ルール：内心構造、右側主要部規則、It's de-lovelyの意味）
6: 語形成2（派生語間での意味の継承とゼロ派生の文法特性）
7: 統語1（文法規則と構造の関係：want to → wannaの可否など）
8: 統語2（文の構造：do soによる置換、名詞句の内部構造： oneによる置換）
9: 統語3（tough構文）
10: 統語4（nice構文）
11: 意味1（不定詞の意味上の主語：promise/persuade, appeal/appearなど）
12: 意味2（数量詞の文法：there構文や特定性条件）
13: 意味3（数量詞の解釈： 数量詞同士の相互作用、appear型不定詞節の特性等）
14: 言語習得理論（母語の獲得、外国語の習得）
15: まとめ（文法研究の目的と分析にあたっての観点・手法）、試験

英語の諸側面の文法特性を資料と板書により提示・説明しますので、その文法現象とその背後にあるルールとの相関を理解するよう努めてください。

（予習）毎回の授業内容に継続性があり、前回までの授業内容のうえに次の授業内容が成り立つ関係にあるので、前回の授業内容を確認して授業に臨むことが大切です。また、宿題（授業内容確認）と課題（応用問題）を設けますので、取り組んだうえで授業に臨んでください。
（復習）授業内容を再確認してください。疑問点などは翌授業時に質問するなどして早い段階で解決しましょう。

知識の習得の度合い、理解の度合い、汎用的技能の度合い、主体的参加の度合いの４点について、授業内容に関する宿題（内容理解）と課題（応用問題）、および、期末試験により、評価を行います。
基準は次の通り：知識〔基本的概念を習得したか〕、理解〔授業で取り上げた事例を分析・判断できるか〕、汎用的技能〔実際の用例において分析・判断できるか〕、主体的参加〔応用問題に応用できるか〕。

宿題（25点）、課題（25点）、期末試験（50点）の合計による。
なお、出席が10回以下の場合、60点未満の成績になります。

テキストなし。

１年間を通して火曜日16:30-17:50 富澤研究室