文化動態論(アジア)
 Introduction to History and Anthropology (Asia)
 担当教員:中村 篤志(NAKAMURA Atsushi)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
この授業は文化動態論コースの基本科目である。主にアジア地域の事象を中心に、文化の動態を巡る多様な議論を学際的な視点から紹介する講義である。
家族・親族関係の結ばれ方は、ある社会を理解する上での重要な手がかりになる。本講義では、中国・モンゴルの事例を中心に、歴史学・文化人類学それぞれにおいて親族研究がいかに進められ、いかなる問題点があるのか、近年の研究状況について基礎的な知識を得ることを目的とする。
また、家族・親族関係を含め地域社会を成立させている様々な社会関係の在り方を学び、それらを整合的に理解するための分析方法について理解を深める。

【授業の到達目標】
中国・モンゴルにおける親族研究に関して、歴史学・文化人類学それぞれの研究史および基本的な分析方法について対比して記述することができる。

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修すること。

【授業計画】
・授業の方法
配布プリントを中心に、映像資料なども使って講義する。また受講者との質疑応答も重視する。
・日程
Ⅰ,中国における同族結合をめぐって
(1)歴史学的アプローチ:「散沙の民」か、強固な同族・同郷結合か
(2)文化人類学的アプローチ:親族研究の展開と「宗族」
Ⅱ,中国における宗族と地域社会
(1)清代以前の宗族 ~その発生と展開
(2)清代から現代に至る宗族の変容
Ⅲ,モンゴルにおける親族と地域社会
(1)遊牧社会の基礎単位「ホト・アイル」
(2)結びつく“地域”~戦前内モンゴルにおける「アイマグ」
(3)現代モンゴル国における地縁結合の諸相
Ⅳ,アジアの多様性を考える ~アジア他地域の家族・親族

【学習の方法】
・受講のあり方
講義形式でおこなうが、漫然と板書を写すだけでなく、口頭で述べた内容などもメモすること。疑問点や問題点は、授業中に配る出席カードに積極的に書き込むこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義内容をきちんと復習し、不明な点は講義後でも積極的に質問すること。紹介された専門書を中心に、できるだけ多くの参考文献を読むこと。

【成績の評価】
・基準
授業に主体的に参加し、講義内容を理解し知識を修得したか、講義内容に即して論理的に思考し、それを文章で表現する力が身に付いたかを、主に期末のテスト、レポートで総合的に判定する。
・方法
学期末テストもしくはレポート(70点)、平常点(30点)

【テキスト・参考書】
プリントを配布する。参考書は授業時に適宜紹介する。

【その他】
・学生へのメッセージ
講義の話題は中国・モンゴル・日本、現在・過去と多岐にわたります。文化動態論の学生に限らず、広く東アジアに関心のある学生の聴講を歓迎します。
・オフィス・アワー
水曜日 13時00分~14時40分 中村研究室

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