比較文化概論
 Introduction to Comparative Culture
 担当教員:伊藤 豊(ITO Yutaka)、許 時嘉(HSU Shih-chia)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科グローバル・スタディーズコース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
(1)比較文化と日本論(2)異文化交流における文化の融合と変容

【授業の到達目標】
 本年度の主題である、アメリカの日本論、そして、近代東アジアの文化交流史(感覚表象)について多角的に理解することを通じて、比較文化研究に関する基本的視座と方法を学びます。到達目標は以下のとおりです。
(1)授業で学んだ視座と方法を、様々な文化的事象に適用して考察できるようになる。
(2)上記のような考察に基づき、小論文や答案を作成できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
 日本論、アメリカ、自己、他者、アイデンティティ、近代国民国家

【科目の位置付け】
 カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
 比較文化・文化交流史を専門とする2人の教員による授業です。前半部は伊藤が(1)のテーマについて、特にアメリカの日本論を素材として講義します。後半部は許が(2)のテーマをめぐる理論的諸相、歴史、そして現状について、近代日本とアジア諸国の文化交流の諸場面を実例としつつ講義します。
・日程
 全15回の授業のうち、初回はオリエンテーションにあて、次に前半部の7回を伊藤が、後半部の7回を許が担当します。授業で扱う予定のトピックは、以下のとおりです。

(前半)
1.オリエンテーション
2〜3.なぜアメリカの日本論か?
4〜5.初期の日本論(1/2)
   ・「開国」以前の日本情報
    ・万延元年遣米使節団をめぐる日本論
6〜7.初期の日本論(2/2)
    ・グリフィスと『皇国』
8.中間試験(前半)

(後半)
9.ノイズとサウンド:西洋人からみた近代日本
10.日本の耳に映る近代西洋:岩倉使節団の聴覚体験を例として
11〜12.眼差しの変化:近代西洋におけるジャポニズムの受容を例として
13〜14.時間の意識とその近代化
15.期末試験(後半)

【学習の方法】
・受講のあり方
 講義を中心とした授業をおこないます。毎回の授業後に質問票を配り、質問や異論やコメントなどを集めることで、講義に関する受講者の理解度を確認し、次の授業で前回出た質問に答えて、また講義に戻る、といった形式で進めていく予定です。授業担当者の許そして伊藤の両者ともに、評価の一環として積極的かつ論理的に質問や意見を提出するのを求めていますので、その点によく留意して質問票に記入してください。授業中に各教員から配付される資料を参考にしつつ、重要事項をノートにとってください。授業の前後やオフィス・アワーでの質問を歓迎します。
・授業時間外学習へのアドバイス
 知識を定着させるために授業資料を見直し、また授業中に紹介された本を読む、情報を調べるなどして、知識や理解をさらに深めてください。

【成績の評価】
・基準
 評価にあたっては、まず以下の2点を重視します:
(1)授業で学んだ視座と方法を、様々な文化的事象に適用して考察できているか。
(2)上記のような考察に基づき、小論文や答案を作成できているか。
 上記の2点について、人文学部のガイドラインである、「主体的な参加の度合い」、「知識の修得の度合い」、「理解の度合い」、「汎用的技能の修得の度合い(論理的思考力、文法表現力)」の4つの基準で成績評価をおこないます。
 具体的には、授業の前半部(伊藤の授業が対象)については期末試験、後半部(許の授業が対象)については小論文テストに基づき総合的に評価し、合計で最低6割の得点率をもって合格と判断します。
・方法
 授業参加状況:20点、中間テスト(論述式問題)40点、期末試験40点

【テキスト・参考書】
 テキスト:適宜プリントを配付します。 参考書:授業中に適宜紹介します。

【その他】
・オフィス・アワー
 伊藤:初回の授業でお知らせします。
 許:火曜日14時40分~17時。許研究室、在室中は随時。

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