現代社会学
 Contemporary Sociology
 担当教員:堀内 史朗(HORIUCHI Shiro)
 担当教員の所属:非常勤講師(阪南大学国際観光学部准教授)
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:集中講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
社会の実態を明らかにしようとする社会学は、近年になって周辺科学から数理モデリングの手法を導入している。この授業では、かんたんな数理モデルを用いて、社会の本質を抽出し、社会を操作する可能性を明らかにする。講義の中では折に触れて具体的な事例としての山形そして日本が陥っている課題を紹介し、学生諸君が山形および日本を良くしていく方法を考える。

【授業の到達目標】
・世間で言われている「常識」に囚われず、自身の考えおよび試論モデルをふまえて社会を分析する視線を持つ。
・数理モデルの考え方を理解し、みずから数理モデルを構築・解析できるようになる。
・数理モデルをふまえたレポート・論文が執筆できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
数理モデル、ゲーム理論、合理的選択理論、閾値理論、山形と日本の課題

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
集中講義で行う。90分で説明、90分で演習というように、180分で一セットとなる。とくに演習の時は、他の受講者と相談して、場合によっては協力して問題を解くことになる。
・日程
1. ガイダンス:社会と数理
2. 山形および日本の課題を数理モデルで考える
3. なぜ人々は助け合わないのか?
4. ゲーム理論による演習1
5. なぜ人々は物を奪い合って争うのか?
6. ゲーム理論による演習2
7. なぜ流行現象が起こるのか?
8. 閾値理論による演習1
9. なぜ同じような人々が集まって暮らすのか?
10. 閾値理論による演習2
11. なぜ結婚すると夫と妻で仕事が異なるのか?
12. 合理的選択理論による演習1
13. なぜ男性と女性で就職率が異なるのか?
14. 合理的選択理論による演習2
15. まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
講義は配布資料と板書を中心にして進める。演習は直近の講義をふまえて、手計算やゲーム感覚のワークショップになる。講義と演習で雰囲気が変わるが、どちらにせよ、質問や意見など、積極的に自分の考えなどを説明することが求められる。
・授業時間外学習へのアドバイス
本授業で用いる数学はけっして難しいものではない。しかし、本授業に関心をもって、より深く数理社会学の世界を知りたいと思う場合、微分方程式や線形代数などの知識が不可欠になる。また、コンピュータープログラミングの知識も数理社会学には不可欠である。この機会に数学・数理科学に関心を持ってもらえると幸いである。

【成績の評価】
・基準
主体的な参加の度合い、知識の習得の度合い、理解の度合い、汎用的技能の習得の度合い、の4つの基準で評価する。
・方法
小レポート70点、最終レポート30点

【テキスト・参考書】
参考書
数理社会学会監修『社会学入門』朝倉書店
S.ボウルズ『制度と進化のミクロ経済学』NTT出版
R.サグデン『慣習と秩序の経済学』日本評論社

【その他】
・学生へのメッセージ
担当教員は非常勤講師であるため、集中講義の授業期間内でしか対応できない。授業時間外の質問などはメールなどで対応する。

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