言語学特殊講義(後期)
 Topics in Linguistics
 担当教員:池田 光則(IKEDA Mitsunori)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科グローバル・スタディーズコース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 ヨーロッパからインドにかけて分布している言語の多くは,「インドヨーロッパ祖語」という現在は存在しない言語から変化してできた同系の諸言語です。この諸言語のグループを「インドヨーロッパ語族」と称し,これに属する言語には多くの類似点が見られます。
 この「インドヨーロッパ語族」に属する諸言語は,系統的にさらにいくつかの下位グループに区分されます。その中で,ロマンス諸語(フランス語,イタリア語,スペイン語など,ラテン語から変化してできた諸言語)や,ゲルマン諸語(英語,ドイツ語,オランダ語,デンマーク語など)を中心に,それらに属する諸言語の歴史をたどりながら,どのような変化を経て現在の姿になってきたのかを概観します。
 

【授業の到達目標】
 (1) 「言語の系統関係」という概念を理解することができる。
 (2) その上で,系統関係にある「インドヨーロッパ語族」,および,「ロマンス諸語」,「ゲルマン諸語」に属する諸言語について,その歴史と変化を理解することができる。
 

【科目の位置付け】
 カリキュラム・ポリシーとの関係については,「カリキュラム・マップ」を参照し,よく理解したうえで履修してください。
 

【授業計画】
・授業の方法
 数多くの実例を挙げながら,諸言語の関係と言語変化の諸相を概観します。
 
・日程
 1. 言語の系統関係
 2. インド・ヨーロッパ語族
 3. ゲルマン諸語の歴史と現在
 4. ロマンス諸語の歴史と現在
 

【学習の方法】
・受講のあり方
 ノートを取りながら講義を聴き,不明な点は遠慮なく質問して下さい。諸言語の実例と講義内容を関連づけて理解して下さい。
 
・授業時間外学習へのアドバイス
 ノートと配付資料を読み返し,講義内容を確実に理解して下さい。また,オフィスアワーを利用して教員に質問したり,《参考書》を読んで理解を深めたり,発展的事項の学習をするなどの努力を期待します。
 

【成績の評価】
・基準
 レポートと学期末試験を課し,知識の修得,理解の度合い,汎用的技能,参加の度合いのそれぞれの項目について判定し,その合計点を用いて判定します。
 「諸言語の資料から,それらの関係や変化過程を理解し,それらを自分のことばで的確に説明できること」が合格の基準です。
 
・方法
 学期末筆記試験(ノート,配付資料,参考書の持ち込み可)80点,レポート20点,合計100点。なお,出席回数が授業回数の3分の2に満たない場合は単位認定の対象としません。
 

【テキスト・参考書】
《参考書》(購入する必要はありません)
 ジャン・オードリー著,岩本忠 訳(2001)『印欧語』白水社[文庫クセジュ]
 風間喜代三(1978)『言語学の誕生―比較言語学小史―』岩波書店[新書]
 黒田龍之介(2011)『ことばは変わる はじめての比較言語学』白水社
 清水誠(2012)『ゲルマン語入門』三省堂
 下宮忠雄(1999)『歴史比較言語学入門』開拓社
 町田健(2011)『ロマンス語入門』三省堂
 Millar, R. M. & R. L. Trask (2015) Trask's Historical Linguistics(3rd ed.), Routledge. 
 また,言語学の専門用語を調べる辞典として,次の一冊が便利です。
 斎藤純男ほか(2015)『明解言語学辞典』三省堂.
 

【その他】
・学生へのメッセージ
 「言語学概論」,「英語学概論」,「日本語学概論」のうち,少なくともひとつを履修していること,あるいはこの授業と並行して履修中であること,もしくは言語学の基礎知識を自習等により修得していることが望ましい。授業で取り上げる日本語・英語以外の言語についての予備知識は必要としません(たとえば,ドイツ語やフランス語を学んでいなくても履修にはさしつかえありません)。
 
・オフィス・アワー
 金曜日 12時から12時30分 および 16時30分から17時30分 池田光則研究室
(メールアドレスは学部のHP,『学生便覧』に記載してあります)

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