アジア史講義(二)
 Asian History (II)
 担当教員:中村 篤志(NAKAMURA Atsushi)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 この授業は、主に17-19世紀のモンゴル・中国を対象に、最新の研究状況や手法について知るとともに、近世東アジアの多様性とその特質について理解を深めることを目的とする。
 本年度は、清朝の地方統治と官僚制をテーマに、官僚が中央と地方を往還しながら、王朝支配をいかに地域に伝えていたか、結果、清朝支配は地域社会にいかに浸透していたのかを、同時代の中国とモンゴルを比較史ながら分析し、東アジアにおける王朝の地方統治と官僚制の特質について考察する。

【授業の到達目標】
 近世東アジアの王朝支配と官僚制についての研究状況や手法を記述でき、清代のモンゴル・中国の地域支配の在り方について対比的に講義内容を記述することができる。また、講義を手がかりに独自の問題を設定し調べることができる。

【科目の位置付け】
 カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修すること。

【授業計画】
・授業の方法
 基本的には講義形式で行う。プリントを中心に映像資料なども用いる。また受講者との質疑応答も重視する。
・日程
Ⅰ,問題の所在
(1)科挙制度の展開と郷紳の出現
(2)中国地域社会へのアプローチ
Ⅱ: 清朝支配と中国地域社会
(1)明末清初の政治変動と地域社会
(2)地域社会における“合意”形成
Ⅲ:清朝支配とモンゴル社会
(1)清朝のモンゴル統治制度
(2)先行研究における地域像
(3)アシグ章京の訴訟とその背景
Ⅳ:地域社会をどうとらえるか

【学習の方法】
・受講のあり方
講義形式でおこなうが、漫然と板書を写すだけでなく、口頭で述べた内容などもメモすること。疑問点や問題点は、授業中に配る出席カードに積極的に書き込むこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義内容をきちんと復習し、不明な点は講義後でも積極的に質問すること。紹介された専門書を中心に、できるだけ多くの参考文献を読むこと。

【成績の評価】
・基準
授業に主体的に参加し、講義内容を理解し知識を修得したか、講義内容に即して論理的に思考し、それを文章で表現する力が身に付いたかを、毎回の出席カードや期末のテスト、レポート等で総合的に判定する。
・方法
学期末テストもしくはレポート(70点)、平常点(30点)

【テキスト・参考書】
プリントを配布する。参考書は授業時に適宜紹介する。

【その他】
・オフィス・アワー
火曜日 13時00分~14時40分 中村研究室(人文学部2号館4階)

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