日本現代文学講義
 Lecture on Japanese Modern Literature
 担当教員:森岡 卓司(MORIOKA Takashi)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
《日本近代文学と土地の記憶》我々の自由になることが決してない〈記憶〉は、だからこそ、我々のアイデンティティと深く関わる。そしてそれは、往々にして、建物、景色、住まう人々などを含めた場としての土地と分ちがたくある。この講義では、地政学的な文脈にも配慮しつつ、その中で様々な変転を被った「土地の記憶」を手がかりに日本近代文学史を読み直すことで、文学と個人、文学と社会の関係について深く考える。

【授業の到達目標】
日本近代文学史に関する概説的知識を身につけたうえで、文学テクストを分析する技法を習得し、それを答案として表現できる。
「土地の記憶」について、講義内容を踏まえた例示を、小レポートや小発表において行うことができる。

【授業概要(キーワード)】
記憶 廃墟 戦争 東京 外地 東北

【科目の位置付け】
カリキュラムポリシーとの関連については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解した上で履修して下さい。

【授業計画】
・授業の方法
プリント資料とコンピュータスライドを使用する。リアクションペーパー等を用いて受講者の理解度を確認し、質問を受け付ける。資料を用いた3分程度の小スピーチを受講者が行うことがある。
・日程
ガイダンス
1 ガイダンス
2 追憶の異郷 北原白秋「思ひ出」
第1部 首都の記憶、首都からの記憶
3 拡大する都市と「山の手」 夏目漱石「門」
4 地図と廃墟 永井荷風「日和下駄」
5 関東大震災と文学 柳田、折口、花袋、谷崎、芥川
第2部 都市と地方
6 故郷としての地方、日本 萩原朔太郎
7 地方文化の夢と挫折 宮澤賢治と太宰治
8 戦時下の都市論 坂口安吾「ぐうたら戦記」
9 中間レポート講評
第3部〈外地〉の記憶
10 〈外地〉としての「満州」 清岡卓行、石原吉郎、安部公房
11 故郷の二重の消滅 「猪飼野」を巡って
第4部 平板化する土地
12 戦後と変容 三島「鏡子の家」他
13 廃墟化する「郊外」を巡って
まとめ
14 土地と文学と記憶
15 まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
提示された資料を利用して、自分のノートを作成する(コンピュータスライドをそのまま配付しない場合があります)。
・授業時間外学習へのアドバイス
[予習のあり方]授業内で予告されたテクストに目を通してくる。
[復習のあり方]ノートを整理し、学期末試験に備える。

【成績の評価】
・基準
主体的な参加の度合い、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理性、表現力)に関して総合的に判断します。講義で例示するテクストに即した文学史的な理解の習得を合格基準とします。
・方法
授業内活動(提出物 スピーチ内容)30点、学期末試験70点

【テキスト・参考書】
[テキスト]授業内配布
[参考書]指示

【その他】
・オフィス・アワー
水13:00〜14:30

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