【授業の目的】
「中国の文学史的思考について」 漢語を表現媒体とする文芸がどのように累積してきたか、またその累積がどのように分類認知されてきたのか、そのあらましを知った上で、中国の文学の様相を、世界の文学でどう位置づけることができるかについて基本的な理解を得ることを、授業の目的とします。
【授業の到達目標】
1)中国の文学史的展開の概要を述べることができる。【知識・理解】 2)中国の文学のジャンルを分類することができる。【知識・理解】 3)漢語を表現媒体とするテキストが、中国文学史上における分類上で、どのような位置を占め得るものなのかを、提示することができる。【技能】
【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修して下さい。
【授業計画】
・授業の方法
中国語圏では、文学作品の蓄積がいかに進み、分類認知されて現代に至っているのかについて、具体的事象に即して時代を追いながら説明していきます。 主としてプリント資料により、出来る限り毎回完結の講義を進めます。講義の内容に対する質問・意見をリフレクション・ペーパーにまとめて記してもらいます。 次回の講義では、質問・意見に対する補足的説明や意見交換を最初に行い、その後、次のテーマに話しを進めます。二人の教員が、それぞれ下に記すようなテーマに即して講義を進める計画です。
・日程
主なテーマとしては、下記のようなものを予定しています。 西上担当回=1~7回 1 中国文学史の前史1 目録学の始め 2 中国文学史の前史2 四部分類 3 詩品・書品・画品 4 史書の合伝 文芸伝・文苑伝の内容 5 蔵書家の姿 6 国民文学と文学史という概念 7 文学史の革新 許担当回=8~15回 8 1910年代からの中国の新文化運動と台湾の新旧文学論争 9 中国「近代小説」の特徴を考える 10 近代中国小説の中の恋愛と結婚 11 1930年代上海のモダニズム文学――「新感覚派」を中心に 12 1950年代冷戦下の文学 13 1960年代の台湾モダニズム文学 14 郷土を抱きしめて――1970年代の台湾郷土文学 (西上+許) 15 まとめと振り返り
【学習の方法】
・受講のあり方
主な対象とするテキスト(訳文つき)を、プリント資料として提供します。講義を聞き、質問・意見を適宜メモします。問いに対する答えや質問・意見を、リフレクション・ペーパーにわかりやすい日本語の文章でまとめます。
・授業時間外学習へのアドバイス
講義資料を改めて見直し、疑問に感じたところをメモし、辞書や関連事典などの工具書で調べてみます。なお疑問が残る場合は、次回の授業で質問できるよう、その内容を書きまとめておきます。
【成績の評価】
・基準
リフレクション・ペーパーや期末試験によって、授業への参加の程度を計り、中国の文芸の史的展開の概略を述べることができるだけの知識を修得したかどうか、授業で取り上げた個別の事象に対する理解が行き届いているかどうか、さらに中国の文学史的思考に対して独自的な論評がどの程度できるかに基づいて、成績を評価します。
・方法
リフレクション・ペーパーの記載状況40点、期末試験60点
【テキスト・参考書】
授業中に紹介します。
【その他】
・オフィス・アワー
西上:月曜日 12時40分~14時 西上研究室、在室時は随時。 許:火曜日 14時40分~17時 許研究室、在室時は随時。
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