極東地域論
 Russian Far East Studies
 担当教員:天野 尚樹(AMANO Naoki)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科グローバル・スタディーズコース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
1)グローバル化の時代の合言葉はボーダレスだが、身近な場所から海の向こうまで世界はボーダフルである。地元から世界各地にいたるさまざまなボーダーの引かれ方を知ることを目的とする。
2)人間は空間を囲わずにはいられない生き物である。ボーダーを引き、空間を囲い込むことの意味を知り、自分の世界観をとらえ返すことを目的とする。

【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は
1)ボーダーを考えるための分析ツールを身につけることができる。
2)世界中の多様なボーダーのあり方を知り、世界地図を異なった姿でとらえることができる。
3)日本の国境問題の意味を理解し、ありうべき未来の姿について討議できる。
4)人間の領域性を自覚し、自分の生き方を見直すことができる。

【授業概要(キーワード)】
アジア、極東、ボーダー、国境、ボーダースタディーズ、国際関係

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
以下の日程にしたがって講義します。史料や地図、写真を含むプリントを毎回配布します。映像資料の紹介、学生自身による課題学習の機会も設ける予定です。
世界情勢次第で講義の内容が変化することがありえます。
・日程
第1回 ガイダンス
第2回 「北方領土」というボーダー
第3回 「図書館の女性専用席」の意味:人間の領域性
第4回 領域の罠:国のボーダーはひとつか
第4回 「壁」と「フェンス」:認識のギャップが構築するボーダー
第5回 映画『パレスチナ1948・NAKUBA』
第5回 分断空間論:切断される生活圏
第6回 映画『トンネル』
第7回 ボーダーの透過性:何を通して、何を通さないか
第8回 映画『ターミナル』
第9回 人間のボーダー
第10回 課題学習:身近なボーダーを観察する
第11回 「領域化」「脱領域化」「再領域化」:線の引かれ方は変わる
第12回 構築されるボーダー:線はどこに誰が引いているのか
第13回 ボーダーツーリズムの魅力
第14回 日本の国境問題を考え直す
第15回 まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
遠い国や時代のことではなく、いまの自分の問題だという意識と想像力をもって講義を聞き、板書による整理を筆記し、配布資料・映像資料を参照しながら理解を深める。
・授業時間外学習へのアドバイス
身近に引かれたボーダーをよく観察し、その意味を考えること。
授業時間に紹介された関連文献を積極的に読むこと。
世界の動きをボーダーの引かれ方を通してみること。

【成績の評価】
・基準
授業内容の理解にかかわったレポートによって判断される知識の習得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、および参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて判定します。
・方法
レポート80点+議論への参加20点

【テキスト・参考書】
テキストは指定しません。参考文献は授業で紹介します。

【その他】
・学生へのメッセージ
ボーダーこそ文化です。ボーダーを考えることは、文化を考え、歴史を考え、世界を考え、自分を考えること。そんな授業にしたいと思っています。
・オフィス・アワー
火曜日 12時10分から12時50分。その他在室時は随時受け付けます。

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