東南アジア地域論
 Southeast Asian Studies
 担当教員:今村 真央(IMAMURA Masao)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科グローバル・スタディーズコース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
本授業では、東南アジアの現代に焦点を当て、この地域でおこった集団的暴力、特に虐殺、を主なテーマとして取り上げます。東南アジアの虐殺に関しては近年優れたドキュメンタリーが作られているので、授業ではこれらのドキュメンタリーを主なテキストとして使います。
以下の問いを念頭に映画を分析していきます。

【授業の到達目標】
東南アジアの現代史を謀略という視点から理解し、記録と記憶について自分の分析と考察を文章で伝えることができること。授業で取り上げられる事件について、その歴史と意義を簡潔に説明できるようになること。自らの考察と分析を口頭でも文章でも伝える力を身につけること。

【授業概要(キーワード)】
東南アジア、世界史、政治と文化・宗教

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
•アジア・太平洋戦争、ベトナム戦争、インドネシア虐殺、そしてミャンマー内戦と4つのトピックを順に論じていきます。
•原則として各トピックにつきドキュメンタリー映画を一本視聴します。
•各トピックに対して「考察」を書いてもらいますが、これはウェブクラスで履修生全員が誰でも読めるようにします。金曜日の授業が始まる前に、この考察ノートをできるだけ多く読んできてください。討論の授業は、みなさんによる「考察」に対するコメントから始まり、講師による講義と進みます。
•週によっては、小グループに分かれて、討論・ディスカッションの時間が設けられます。
・日程
第1回 イントロダクション (シラバス完全版が配られます。)
I. アジア・太平洋戦争
第2回 映画上映『ゆきゆきて、神軍』
第3回 講義
第4回 討論
II. ベトナム戦争
第5回 映画上映『ハーツ・アンド・マインズ』
第6回 講義
第7回 ゲスト講師
第8回  討論
III. インドネシア大虐殺
第9回 映画上映『ルック・オブ・サイレンス』
第10回 講義
第11回  討論
IV. ミャンマー内戦
第13回映画上映 未定
第14回 講義
第15回 討論

【学習の方法】
・受講のあり方
•履修生には、一人につき計3枚の「小論文」を提出してもらいます。「小論文」を授業中に取り上げることもあります。
•小論文を書く際は、「問い」を明確に立ててください。歴史背景などを積極的に調べて、自分自身による分析を加えてください。
・授業時間外学習へのアドバイス
•履修生による「考察」はウェブクラスを通して全て公開します。話題になるような「考察」を書くように努力してください。また、できるだけ多くの「考察」を授業前に読んできてください。

【成績の評価】
・基準
「主体的な参加の度合い」、「知識の修得の度合い」、「理解の度合い」、「汎用的技能の修得の度合い(論理的思考力、文章表現力など)」の4つの評価基準で評価します。
・方法
①小論文2枚 50%(各25%)②他の履修生による小論文に対するコメント 25%③授業参加 25%

【テキスト・参考書】
映画
『ゆきゆきて、神軍』(日本・パプア・ニューギニア)122分 『ハーツ・アンド・マインズ』(米国・ベトナム)112分
『ルック・オブ・サイレンス』(インドネシア)103分
参考
『戦場の女たち』関口典子監督(日本・パプア・ニューギニア)55分 『狂気の瞬間』(韓国、ベトナム)82分
『S-21』(もしくは『消えた画』)リティ・パニュ監督(カンボジア)101分(95分) 『アクト・オブ・キリング』(インドネシア)96分
参考文献
『消去-虐殺を逃れた映画作家が語るクメール・ルージュの記憶と真実』リティ・パニュ、『戦争を記憶する 広島・ホロコーストと現在』藤原帰一、 『敗戦後論』加藤典洋

【その他】
・学生へのメッセージ
極めて重く、重い主題を取り上げます。 読書課題は少ないですが、映画を観て考えさせられたことについて自分なりに調査・分析し、文章で論じることが求められます。書いたものを他の履修生とシェアしてきますので、書く力が身につくはずです。ぜひ、他の履修生による「考察」を積極的に読んで、学生同士で活発に議論してください。
・オフィス・アワー
木曜日 14:00 - 16:00

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