【授業の目的】
心理学における基礎的な実験を通して、心理学、認知科学の実証的な研究方法、データの分析方法、レポートの書き方を学習する。特にレポートの書き方に焦点を当て,卒業論文の執筆のためのトレーニングを行う。
【授業の到達目標】
(1)授業でおこなった実験について、その目的、方法、結果、考察を適切に記述することができる。 (2)簡単なデータ分析を自分でできる。 (3)心理学、認知科学における一般的な書式をもちいてレポートを作成できる。
【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。
【授業計画】
・授業の方法
基礎的な心理学の実験,調査のなかから代表的なものをとりあげ,ペアないしグループに分かれて実験,実習を行います。また,実験データを分析しレポートを作成する方法を学びます。次回の授業までにレポートの提出を求めます。必要に応じて,人文学部の教室だけでなく,心理学実験室や小集団行動分析室で実施することもあります。
・日程
1. ガイダンス(レポート執筆作法の座学)と実験室案内 2. 実験1:変化の見落とし,実験とデータ整理1,レポート作成1(グラフ作成) 3. 実習1:変化の見落とし,実験とデータ整理2,レポート作成2(方法と結果) 4. 実習1:変化の見落としの解説,レポート作成3 5. 実験2:幾何学錯視,実験とデータ整理,レポート作成4 6. 実習2:幾何学錯視の解説,レポート作成5 7. 実験3:短期記憶,実験とデータ整理,レポート作成6 8. 実習3:短期記憶の解説,レポート作成7 9. 心理統計の基礎,レポート作成8 10. 実験4:イメージ評定,実験とデータ整理,レポート作成9 11. 実習4:イメージ評定の解説,レポート作成10 12. 実験5:視覚探索,実験とデータ整理,レポート作成11 13. 実習5:視覚探索の解説,レポート作成12 14. データ分析の基礎 15. 全体のまとめ
【学習の方法】
・受講のあり方
全員で同時に実験を実施します。全員が揃うまで授業を始められないため,遅刻や欠席は絶対にしないようにしてください。やむを得ない事情により出席できない場合は,補充実験を実施してレポートを作成してもらいます。レポートは毎週課されます。再提出を求めることもあります。
・授業時間外学習へのアドバイス
・予習のあり方 必要な場合には事前に指示します。 ・復習のあり方 レポートを期日(基本的に翌週)までに提出できるように作業を進めてください。レポートでは単に実験を行ったことを報告するだけではなく,関連領域について文献を調べて,考察することが必要です。
【成績の評価】
・基準
提出されたレポートをもとに,以下の観点から評価をします。 1. 実験のねらいと方法を正しく理解しているか。 2. 得られたデータを適切に分析しているか。 3. 先行研究と実験結果に基づいて正しく考察しているか。 4. 決められた書式で書かれているか。
1,4より心理学方法論についての「知識の習得の度合い」と「理解の度合い」を評価します。2,3より論理的思考力,文章表現力などの汎用的技能の習得の度合いを評価します。原則として,すべての実験に参加し,すべてのレポートを提出した人が評価の対象になります(主体的な参加の度合いの評価)。レポートは,評価,添削し返却します。必要な要件を満たしていないレポートは再提出を求めます。
・方法
12回のレポートを評価し,その合計点を最終成績とします。
【テキスト・参考書】
必要に応じて授業中に指示します。
【その他】
・学生へのメッセージ
心理学で卒論を書く上で修得すべき授業です。
・オフィス・アワー
月・火曜日 10:00~13:00 大杉研究室 tosugi@human.kj.yamagata-u.ac.jp
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