日本史史料講読(一)
 Directed Reading in Japanese History (I)
 担当教員:吉井 文美(YOSHII Fumi)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
『胡桃澤盛日記』を読み、日本近代史の史料を読む際に必要な基礎的な能力を習得するとともに、長野県下伊那郡河野村を例に、戦時期の農村がいかなる状況にあったのかについて、理解を深める。

【授業の到達目標】
基本的には、分からない語句の調べ方、関連する先行研究や史料の探し方について学ぶことを通して、史料を正確に読み取る技法を身につける。そのうえで、胡桃澤盛を取り巻く時代背景や地域情勢に関する理解を深め、昭和戦前期の農村社会が抱えた問題について考察できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
戦時期、農山村、満洲移民

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解した上で履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
『胡桃澤盛日記』を読む。まず予備知識として、胡桃澤盛の来歴と長野県下伊那郡河野村の基礎的な情報を把握する。そのうえで、第3回目以降は『胡桃澤盛日記』を輪読する。輪読する史料の箇所についてはガイダンスの際に指示する。史料の輪読に際しては、毎回担当者を決め、その担当者が史料の意味や難解な用語、時代背景などを調べたうえでレジュメにまとめ、史料の解説を行う。そして、その報告をもとに全員で討論を行う。適宜関連する研究論文も講読する。
・日程
第1回 ガイダンス
第2回 胡桃澤盛の来歴と地域状況
第3~14回 史料の読解
第15回 まとめ

【学習の方法】
・受講のあり方
報告担当者以外の演習参加者も、毎回の授業で取り上げる史料は事前には必ず目を通し、面白かった点や疑問点について発言できるように準備しておく。辞典類を用いて調べても分からなかった表現、語句の意味は、その場その場できちんと覚えるようにする。
・授業時間外学習へのアドバイス
予習復習のほか、授業中に紹介した参考文献や関連史料を読み、自らの関心を広げていくと、理解が深まる。

【成績の評価】
・基準
「主体的な参加の度合い」、「知識の修得の度合い」、「理解の度合い」、「汎用的技能の修得の度合い」について、参加態度と報告内容から判断する。とくに、史料に書かれている内容を正確に読み取っているか、史料の背景にある時代状況や地域情勢を理解し、史料が持つ歴史的意味合いを理解できているかを重視する。
・方法
平常点(50点)と報告内容(50点)。

【テキスト・参考書】
胡桃澤盛著、「胡桃澤盛日記」刊行会編『胡桃澤盛日記』(「胡桃澤盛日記」刊行会、2011~2012年)。輪読する箇所は開講時に指定する。

【その他】
・オフィス・アワー
水曜日 13:30~14:30、吉井研究室

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