【授業の目的】
〈ふたり〉であることの弁証法 作品は〈対話〉から生まれる。自分とは違う「誰か」との間に葛藤が生じる。作品を見ると、そこに様々な対立や葛藤を見てとることができる。親と子、夫婦、兄弟姉妹などの家族関係、友人のような友人関係。男と女。師と弟子。そして敵と味方、主人と奴隷といった関係もあるだろう。また鏡、影、分身などによって生じる本体と分身などもある。いずれにせよこうした対話の運動は弁証法(ディアレクティケー)という、ソクラテス以来、人間の知の歴史における伝統に連なるものである。今回の演習では、表象領域における「ふたり」の表象という主題をめぐり、そこでいかなる弁証法が生じているかを探り出していきたい。
【授業の到達目標】
「〈ふたり〉であることの弁証法」という観点からさまざまな作品を分析することで、ただ「内容」を享受するだけではなく、その「内容」を支える思考枠組みそのものを批評的に分析・再検討する力を身につける。
【授業概要(キーワード)】
弁証法 テクスト 記号 文学 小説 絵画 写真 映画 マンガ アニメ 表象 笑いと泣き
【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。
【授業計画】
・授業の方法
受講者による発表と、それをめぐる議論で進行します。
・日程
受講者の数と関心にしたがって日程を決定します。 発表の主題となりそうなテーマを以下に掲げます。 1回目 イントロダクション 2回目 教員によるデモンストレーション 3回目以降 学生による発表
【学習の方法】
・受講のあり方
自分の関心を踏まえつつ、積極的に発表と議論にのぞむこと。
・授業時間外学習へのアドバイス
充分な時間をかけて発表の準備をすること。担当教員がアシストします。 報告後は、議論の内容をふりかえり、自分の意見とつきあわせてみましょう。
【成績の評価】
・基準
発表においては、着眼点と、論理展開のユニークさ、基礎となる知識の確実性を評価します。議論においては、積極性を評価します。レポートにおいては、発想の独創性と論理の明快さを評価します。
・方法
発表40%、学期末レポート40%、議論への参加度20%
【テキスト・参考書】
参考書 ・プラトン『メノン』岩波文庫、1994年 ・長谷川宏『新しいヘーゲル』講談社現代新書、1997年 ・レッシング『ラオコオン』岩波文庫、2003年
【その他】
・学生へのメッセージ
自分の発表だけでなく、他の人の発表もよく聞き、質問や意見を述べる姿勢が大切です。
・オフィス・アワー
大久保清朗:在室時随時(要アポイント) okubo@human.kj.yamagata-u.ac.jp
摂津隆信:在室時随時
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