映像学演習
 Seminar in Studies of Images
 担当教員:大久保 清朗(OOKUBO Kiyoaki)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
「ミュージカル女優講義――ジュディ・ガーランドを中心に」
 『オズの魔法使』や『スタア誕生』などで知られる映画女優ジュディ・ガーランドの代表作を鑑賞する。また映画について、彼女の伝記的事実などを参照しつつ、課題にそった小レポートを書きながら、ハリウッド・ミュージカルにおける諸問題について考察を深めていく。ミュージカルにおける音楽性と身体性の問題、そしてスターにおける神話性と記号性の問題について考察する。家父長制イデオロギーを強化する一方、ジェンダー批評においてゲイアイコン化する過程など、現代における諸問題においても考えていく。

【授業の到達目標】
 映画理論を理解したうえでそれを援用し、印象中心の「感想」ではなく、映画の構造を明らかにし、それを論理的に記述することができる。

【授業概要(キーワード)】
映画、映画史、映画理論、ミュージカル、映像、表象、ジェンダー、スター、精神分析、記号学、制度

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
映画鑑賞(スクリーニング)と討論(ディスカッション)によって行う。
・日程
 1回目 イントロダクション
 2~4回目 『オズの魔法使』篇
 5~7回目 『若草の頃』篇
 8~9回目 『二日間の出会い』篇
 10~12回目 『イースター・パレード』篇
 13~15回目 『スタア誕生』篇
 前後篇で映画を鑑賞し、翌週にそれについての小レポートを提出。それに基づき、3回目は討論会を行う。

【学習の方法】
・受講のあり方
 鑑賞の回:映画を見ている最中はメモをとらずに集中して見る(当たり前だが、スマホや携帯などはオフにしておく)。討論の回:自分の意見、疑問点を積極的に述べる。人の意見をよく聞く。
・授業時間外学習へのアドバイス
 見終わったあとは、インターネットや参考資料などによって映画の成立事情や当時の評価などについて読み込み、レポートの準備を入念に行ってください。また授業時間外に参考上映を行う予定(16時半ごろから、週3日ほど予定)。こちらも可能な限り見る。

【成績の評価】
・基準
約3回に1度だす小レポートの他に、参考上映の出席回数、その時のコメント、映画史の知識の理解の度合い、分析力、文章力などを総合的に判断し、合計点を用いて判定します。基準は、1)当該映画および映画史について具体的に理解し分析できる、2)作品相互を関連づけ、その類似点・相違点を指摘できる。3)授業および参考上映に積極的に参加し、そこで得た知識を適宜援用できる。
・方法
小レポート(40%、8%×5回)、参考上映(30%、1%×30回)、期末レポート(30%)

【テキスト・参考書】
デイヴィッド シップマン『ジュディ・ガーランド』キネマ旬報社、1996年
上記の本を含め、資料は適宜コピー、PDFファイルなどで配付予定。

【その他】
・学生へのメッセージ
前期のミュージカル映画講義の発展型ですが、この演習から取ってくださってもかまいません。皆さんにとって、ガーランドはあまり聞いたことがないかもしれませんが、「虹の彼方に」などはどこかで耳にしたのではないでしょうか。これをきっかけに、映画に関心を持っていただければ幸いです。
・オフィス・アワー
随時(要アポイントメント)。
okubo@human.kj.yamagata-u.ac.jp

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