アジア文化演習
 Asian Studies Seminar
 担当教員:許 時嘉(HSU Shih-chia)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科グローバル・スタディーズコース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
記憶はどのように語られてきたのか。本授業は、「戦争記憶の語り方」を例にして戦後東アジアの歴史認識を考える。第二次世界大戦以降の東アジア各地域(日本、中国、台湾、韓国、東南アジア)の戦争認識を、指定の映像資料、文学資料、一次史料などに即して紹介し、東アジアの多様的な歴史認識への理解を深めるのを目指している。

【授業の到達目標】
現代東アジアの「戦後」への総合的な認識を獲得し、記憶とその語り方を学問的に評価できる。

【授業概要(キーワード)】
戦争 記憶 記録 ドキュメンタリー インタビュー

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラ・ムマップ」を参照し、よく理解した上で履修する。

【授業計画】
・授業の方法
近現代東アジアの戦争史を実例に即して討論し、理解を深めていく。
前半は資料輪読を中心にする。受講生に報告者を決めて指定の一次資料の概要と下調べ、問題提起を担当してもらう。報告者以外の受講生は事前に資料を熟読し、質疑と議論に積極的に参加することが義務付けられる。
後半は課題発表を行う。「記憶の語り方」をテーマにして、受講生は各自に関心の内容を決め、①インタビュー(オーラル・ヒストリーの制作)、②ドキュメンタリー映像、のいずれかの形でプレゼンを行う。発表後に文面のレポートとしてまとめて再提出する。
・日程
1、 ガイダンス:記憶と記録
2、 戦後戦争史の概観。グループ分け。
3、 植民地からの「反乱/反抗」:霧社事件(1930)
4、 日中戦争(1937)から太平洋戦争(1941)へ
5、 終戦の記憶(1945)
6、 課題発表の事前準備:これまでの学習を振り返り、取材のテーマと取材先等について計画を立てる。取材に必要な機材の準備と使用方法、インタビューの仕方について学ぶ。
7、 分裂する中国:国共内戦(1945-1947)
8、 分裂する朝鮮半島:朝鮮戦争(1950-1953)
9、 ベトナム戦争(1965-1975)の国際的意義
11~14、 課題発表①~④
15、総括

【学習の方法】
・受講のあり方
対象とするテキスト(訳文つき)を、プリント資料として提供するので、講義の内容を適宜メモする。受講生が下記のことを義務付けられている。①毎回授業中の討論に積極的に参加する。②指定の文献に対して事前に調べて口頭発表、課題発表をする、③指定の映像資料は授業外時間を見る場合がある。
・授業時間外学習へのアドバイス
指定の参考書と参考文献を事前に熟読すること。

【成績の評価】
・基準
東アジアの戦後を自主的に考えられるようになったかどうかを合格の基準とする。授業中の輪読資料の準備、議論への積極的な参加、発言の論理性、期末の課題発表によって評価する。
・方法
平常点(授業中の質疑討論):20点、口頭・課題発表とレポート:80点

【テキスト・参考書】
授業最初回で提示します。

【その他】
・オフィス・アワー
火曜14:40~17:00、許研究室。ほか、在室時は随時。
hsu@human.kj.yamagata-u.ac.jp

10833085-2017-01-13285