国際文化学演習(前期)
 Seminar in International Culture
 担当教員:合田 陽祐(GODA Yosuke)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科グローバル・スタディーズコース
 開講学年:2年, 3年, 4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
テーマは文化の混淆、クレオール。
本演習ではカリブ海地域(英語圏、フランス語圏、スペイン語圏)や、アジア諸国等の〈植民地出身者〉による作品やエッセーから対象を選択し、〈書くことを通じたアイデンティティの探求〉などを主題とする発表をグループごとに行ってもらう。
学術書や小説などの文献を渉猟し、主体的な事前学習と討論を通じて、グローバル社会の最大の特徴の一つである〈文化の複数性〉を学ぶことを目的とする。

【授業の到達目標】
学生はこの演習への参加を通じて、
1. 植民地問題を「内側」から見つめ直すことで、そのアクチュアリティを学ぶことができる。
2. 言語、アイデンティティ、地域を横断する文化の複数性の現代的意義を学ぶことができる。

【授業概要(キーワード)】
カリブ海の文学、ポストコロニアリズム、他者の言語、マイノリティ、地域横断性、クレオール性、文化的複合、文化人類学

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修すること。

【授業計画】
・授業の方法
毎回の担当グループの発表を全員で聞き、各自が意見票にコメントを書く。それを用いた個別の質疑応答を経て、全体での討論を行う。なお、各発表と討論会の司会進行は学生が担当する。
・日程
最初に担当教員が概論的な講義を行う。その後、グループと担当を決めて発表を行ってもらうが、詳細な日程については初回および第二回を使って決定する。現時点で予定している授業内容は以下の通り。

1-2 オリエンテーション
3 ゲストスピーカーによるトークと質疑応答
4-6 ○○語圏についての発表と討議、次の発表の予告
7-9 ○○語圏についての発表と討議、次の発表の予告
10-11 関連映像の上演と討議
12-13 ○○語圏についての発表と討議
14 これまでの議論のまとめ
15 レポート執筆

※ 履修者数に応じて、変更や順序の入れ替えを行う場合があります。

【学習の方法】
・受講のあり方
調査や発表を通じて、国際的な複数の視点から事象を検討し、討議に参加することが求められる。
発表を行うためには、教員の発表や以下に示す参考文献などを参照して問題の所在を確認したうえで、対象となる作品の読解を行うことが求められる。
授業中の睡眠学習や瞑想はむろんNG(欠席とみなします)。
・授業時間外学習へのアドバイス
できるだけ多くの著作を積極的にひもとくことが望ましい。
発表はたんに事実確認を行う場ではないので、必ず発表グループ固有の「問い」を発して、その問題の解決法を示せるよう、メンバーと打ち合わせを行いながら準備して欲しい。

【成績の評価】
・基準
発表を深める形で期末レポートを書いてもらう。その際、授業の到達目標に記した1については、たんなる事実確認ではなく、現代的関心から書けているかどうかではかる。2に関しては、実例を引きながら論証されているかどうかではかる。
・方法
授業参加(出席点、授業内での討論、発表での主体性など)50点、期末レポート(知識の修得の度合い、理解の度合い、論理的思考力、文章表現力を見ます)50点。

【テキスト・参考書】
英語圏(アジア圏)とフランス語圏のカリブ海文学の概説書(参考書)として、次がおすすめできる。
山本伸『カリブ文学研究入門』(世界思想社)
中村隆之『フランス語圏カリブ海文学史』(風響社)
その他、文学作品等についてはWebClassに参考文献一覧をあげるので確認すること。

【その他】
・学生へのメッセージ
国際文化や海外文学に興味がある学生、アイデンティティや人権の問題、広く国内外の国際交流に興味がある学生を歓迎します。またドイツ語圏(多和田葉子のような言葉の「越境者」がいる)、ロシア語圏に興味を持つ学生もためらわずに来て欲しい。オリエンテーションの「様子見」可。
一筋縄ではいかない問題を扱うことになるが、2年生の履修者にも分かりやすい授業となるよう配慮したい。
・オフィス・アワー
初回オリエンテーションで告知する。

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