ミクロ経済学
 Microeconomics
 担当教員:是川 晴彦(KOREKAWA Haruhiko)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科経済・マネジメントコース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:4単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
ミクロ経済学(価格理論)の中心的課題は,有限希少な資源や財をどのように経済主体に配分するかという問題,すなわち,資源配分の問題を分析することである。このような分析を行うためには,個々の経済主体の経済行動について十分に理解することが重要である。この講義の前半は,市場メカニズムに関する基本的な理論を解説することによって,市場メカニズムの意義や課題について理解を深めてもらうことを目的とする。また,後半は,消費や生産に関する基本的かつ重要な理論を解説することによって,家計や企業の経済行動について理解を深めてもらうことを目的とする。講義では,経済学的な考え方を紹介することを通じて理論的な思考力を身につけてもらうことを目指す。あわせて,現実の社会現象を経済学的な視点から考えることにも焦点をあて,地域の抱える課題を解決するために求められる基礎力を身につけてもらうことも目指す。

【授業の到達目標】
ミクロ経済学の基本的な事項や概念を理解できるようになる。さらに,経済学的に考える力や,自分でより上級の文献を購読していく力を身につけることができる。

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については,「カリキュラムマップ」を参照し,よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
配布プリントを中心に板書をしながら講義を行う。講義ではミクロ経済学の理論や考え方について説明するほか,理論を用いて現実の経済現象をどのように説明できるかについても解説する。
・日程
(1)ミクロ経済学とは何か
(2)資源配分について
(3)市場メカニズム(需要と供給・均衡・需要曲線と供給曲線のシフト・比較静学)
(4)需要の価格弾力性
(5)前半のまとめと中間試験
(6)家計の経済行動-需要曲線の導出
(7)企業の経済行動-供給曲線の導出
(8)資源配分の効率性と市場の失敗
(9)まとめと期末試験

【学習の方法】
・受講のあり方
科目の性質上,図やグラフを板書して説明することが多くなるが,説明に必要な図やグラフは配布プリントにも描かれている。配布プリントに必要な事項を追加記入するなどして,講述内容を集中して聞いてほしい。板書事項を書き写すことに夢中になって説明を聞きもらしてしまったということがないように。
・授業時間外学習へのアドバイス
〈予習のあり方〉配布プリントや参考書を事前に読んでおくこと。
〈復習のあり方〉ミクロ経済学は基本的な概念や考え方を積み重ねて学ぶ学問なので,わからないところをそのままにしておくと,それ以降の内容が全く理解できなくなってしまう可能性が高い。時間に余裕があるときに,ノート・配布プリント・参考書等によって,内容を整理し,理解しておくことが重要である。わからない点は,遠慮なく質問してほしい。

【成績の評価】
・基準
「主体的な参加の度合い」,「知識の習得の度合い」,「理解の度合い」,「汎用的技能修得の度合い(論理的思考力,文章表現力)」の4つの基準で成績評価を行う。特に,ミクロ経済学の基本的な概念や理論について理解しているか,それらを用いて現実の経済現象を説明できるかを評価の際に重視する。
・方法
2回行う筆記試験(中間試験・期末試験)や小レポート,小テストの成績を総合して評価を行う。評価ウェイトは筆記試験が85%,小レポート・小テストが15%である。

【テキスト・参考書】
講義時にプリントを配布する。
〈参考書〉必要に応じて講義時に紹介するが,ミクロ経済学の入門書として,
1.奥野正寛著『ミクロ経済学入門』(日経文庫),2.西村和雄著『現代経済学入門 ミクロ経済学(第3版)』(岩波書店),3.倉沢資成著『入門|価格理論(第2版)』(日本評論社),4.金谷貞男・吉田真理子著『グラフィック ミクロ経済学 第2版』(新世社),5.伊藤元重著『ミクロ経済学 第2版』(日本評論社)
を挙げておく。また,演習問題を解きながら理解を深めていきたい場合には,
・西村和雄ほか著『経済学ベーシックゼミナール』(実務教育出版)
・奥野正寛編『ミクロ経済学演習』(東京大学出版会)
を参照するとよいであろう。さらに,中・上級レベルの内容を扱いながら,理論を現実問題の分析にどのように応用するかについて詳細に解説した文献として,神取道宏著『ミクロ経済学の力』(日本評論社)を挙げておく。

【その他】
・オフィス・アワー
前期・後期 火曜日 16時30分から18時まで 是川研究室
上記以外の時間でも質問などを受け付けますので,学生便覧に記載の是川のメールアドレスに連絡してください。

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