経済数学(後期)
 Mathematics for Economic Analysis
 担当教員:亀井 慶太(KAMEI Keita)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科経済・マネジメントコース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
現代経済は極めて複雑です。一つの経済問題に焦点を当てたとしても、そこには様々な要素が複雑に絡み合っています。この絡まりを一つ一つ丁寧に解きほぐすためにはミクロ経済学・マクロ経済学・計量経済学などを理解する必要があります。これらの科目は、複雑かつ繊細な経済問題を解きほぐすことを目的としているために、正確な分析を可能とする数理モデルに基づいて構築されています。
 本講義では、数理モデルを理解する上で必要となる数学的手法のうち微分法を中心に講義を行い、実際に経済分析を行う際に用いられる経済モデルを理解し使えるようになることを目的とします。そして、経済数学は経済学における便利で強力な分析ツールであることを理解し、自らの手で経済モデルを構築することができるようになることを最終目標とします。
 なお、本講義を受講する上での前提知識は中学数学レベルで十分です。

【授業の到達目標】
ミクロ経済学やマクロ経済学などで用いられている数理モデルを正しく理解し、それらを一人で解くことができるようになる。
本講義を通じて、以下の知識・技能を獲得することができる。(知識)
(1)経済学において、微分法を利用する理由を説明できる。(技能)
(2)具体的に微分法を用いて最適化問題を分析することができる。(技能)
(3)微分積分を用いた経済分析(効用最大化問題・企業の利潤最大化問題・比較静学分析など)を理解し分析することができる。(技能)
(4)実際に自分の手で分析し、モデルの分析結果を解釈することができるようになる。(技能)

【授業概要(キーワード)】
微分、最適化、限界概念、効用最大化問題、利潤最大化問題、比較静学分析

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
テキストを中心に板書をしながら講義を行う。講義では,必要に応じて受講生に演習問題を解いてもらい,その問題の解説を行う。
・日程
(1)イントロダクション
(2)微分の意味と計算法
(3)偏微分
(4)全微分
(5)指数・対数関数の微分
(6)制約なし最適化問題
(7)制約付き最適化問題
(8)生産者行動への応用
(9)消費者行動への応用
(10)比較静学の方法について
(11)まとめと期末試験

【学習の方法】
・受講のあり方
科目の性質上「習うより慣れろ」という側面が強い。たゆまず手を動かして考えること。
・授業時間外学習へのアドバイス
〈予習のあり方・事前の準備〉不要である。強いて言えば、前回までの内容を完全に理解しておくことが予習である。
〈復習のあり方〉課題・レポートの問題を解き、計算方法とそれが意味することを理解しておくこと

【成績の評価】
・基準
以下の二点
(1)提示された数学の問題を解くことができるか
(2)学習した数学を用いて、経済の応用問題を解くことができるか、
を基準とし、最終的に主体的な参加の度合い、知識の修得の度合い、理解の度合い、汎用的技能の習得の度合いを総合して評価する。
・方法
レスポンスカードの提出(10%)、レポート提出(45%),期末試験(45%)で評価する。

【テキスト・参考書】
講義ではスライドを用いるために、テキストは特に指定しない。参考書に関しては授業中に紹介する。

【その他】
・学生へのメッセージ
経済学的直観を本質的に理解するためには、経済モデルを自分の手で動かしてみる必要がある。そのためには計算手法に慣れることが重要である。心配は不要、手を動かしていれば必ず理解できる。
・オフィス・アワー
火曜日の13:00-16:10, 亀井研究室

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