【授業の目的】
多様化した働き方に対する理解を深めるために,賃金制度を通して,賃金形態や昇給の仕組みにおける日本の特徴,経済理論上の根拠,働き方の違いに関する基礎的な知識を得ることを目的とする。
【授業の到達目標】
1)日本の賃金制度の仕組みや特徴を適切に説明できるようになる。 2)勤続昇給を経済理論の枠組みで説明できるようになる。 3)セーフティ・ネットの仕組みとセーフティ・ネットにおける正社員と非正規雇用の違いを適切に説明できるようになる。
【授業概要(キーワード)】
内部労働市場,年功賃金,知的熟練,セーフティ・ネット
【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については,「カリキュラム・マップ」を参照し,よく理解したうえで履修してください。
【授業計画】
・授業の方法
スライドでテキスト解説します。配付資料を配り,冒頭でポイントを2点確認します。解説の後,ポイントに対応した確認問題を実施しますので,レスポンスカードにその回答と質問・感想等を記して貰い,回収します(次回冒頭で回答)
・日程
I.賃金の仕組み 欧米の職務給,日本の賃金制度,昇給,査定,賃金制度史 II.昇給の理論 人的資本理論,知的熟練論(理論,歴史),異動 III.内部労働市場の内と外 内部労働市場,雇用調整,多様な働き方,非正規雇用 まとめとテスト
【学習の方法】
・受講のあり方
講義資料の該当箇所に重要な点,わからない点をマークし,レスポンスカードに記す。確認問題があれば,解いてみる。
・授業時間外学習へのアドバイス
事前にアップロードされた講義スライドと,できれば参考文献に目を通しておく。 確認問題に再トライして解けなければ,パワーポイントのスライド資料を読み直す。
【成績の評価】
・基準
知識の修得,理解の度合い,汎用的技能(論理的思考力,文章表現力),参加の度合いを,毎回の確認問題(レスポンスカード),単元毎のまとめシート,期末試験の3つを用いてみる。
・方法
確認問題(2点×13),まとめシート(7点×3回)、期末試験(53点)。(まとめシート提出2回以上と期末試験受験が単位取得の条件)
【テキスト・参考書】
参考書;小池和男『仕事の経済学(第3版)』東洋経済新報社,2005年 プリントに小池の対応章および関連文献を記す。
【その他】
・学生へのメッセージ
90年代の雇用流動化によって終身雇用,年功序列型賃金は崩壊したと言われていますが,実は堅固に残っており,むしろ勤続昇給する正社員(内部労働市場)としない非正規雇用(外部労働市場)の処遇格差が一層際立つことになりました。内部労働市場の仕組みや特徴に焦点を当てることにより現代資本主義の一側面を考察します。
・オフィス・アワー
火曜日13:00-14:40。連絡先yasuda#human.kj.yamagata-u.ac.jp(#を@に)
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