経済情報科学(前期)
 Economic Analysis and Information Processing
 担当教員:田北 俊昭(TAKITA, Toshiaki)
 担当教員の所属:人文社会科学部 人文社会科学科 経済・マネジメントコース
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
本講義では、これまで学んできたミクロ・マクロ経済学の基本的知識の運用能力を身につけるために、「経済モデル」を構築し「モデル推計」を行い、「政策シミュレーション」を行う能力を鍛え上げる。受講学生は、ミクロ・マクロ経済学で学んだ基本的事項を再確認するために経済分析に関する「テキスト」を復習してもらうとともに、経済情報処理のテキストや配布資料の「練習例題」を解いたうえで、コンピュータを用いて計算を行い実践的な理解を深める。経済学の分析対象は社会全体にわたるために様々な事例を経験していただくが、教員の専門分野「都市・地域経済学」や「通信・交通経済学」の実例も取り扱う。

【授業の到達目標】
本講義では、第一の到達目標として、重要な「経済理論(ミクロ経済学とマクロ経済学)」および「経済統計学」等のテキストと照らし合わせながら、基本的知識の要点に合わせた情報処理実習を通じて再確認することである。第二の到達目標としては、社会現象を解明するための「経済モデルの構築」、「モデルの推定」、「政策シミュレーション」といった「経済分析プロセス」を理解することである。国内外大学で経済学の情報処理教育の動向を踏まえ、汎用ソフト(Excel)や統計・数式処理ソフト(RやMathematica)を用いた学習を行う。第三の到達目標として、分析結果を考察して、論文やレポートとしてまとめるための「論理的能力」を身に着けることである。第四の最後の到達目標としては、プレゼンテーション能力を身につけることである。論理的な表現をより簡潔にした「発表スライド」をつくり、それを用いて討論する能力を身につけることである。

【授業概要(キーワード)】
情報処理,ミクロ経済学,マクロ経済学,都市・地域経済学,情報通信・交通経済学

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
テキストおよび配布資料による「講義(ミクロ・マクロ経済学の要点の復習、練習問題の提示)」と「コンピュータ実習(解答を得るための計算)」が繰り返される。
・日程
1.経済分析のための準備
1.1 問題の明確化と経済モデルの構築方法  (第1回)
1.2 経済データと統計分析の方法
 (1)経済データとアンケートデータ     (第2回)    
 (2)時系列データと予測          (第3回)
 (3)クロスセクションデータとデータベース (第4回)
1.3 経済学における数式処理の方法
 (1)多変数の微積分法           (第5回)
 (2)最適化/数理計画法          (第6回)
2.経済学と政策シミュレーション
2.1 ミクロ経済モデルと政策シミュレーション
 (1)消費者行動理論            (第7回)
 (2)企業行動理論             (第8回)
 (3)一般均衡分析モデル          (第9回)
2.2 マクロ経済モデルと政策シミュレーション
 (1)計量経済分析             (第10回)
 (2)産業連関分析             (第11回)
3.都市・地域経済学と政策シミュレーション
 (1)都市経済モデル            (第12回)
 (2)地域経済モデル            (第13回)
4.通信・交通経済学と政策シミュレーション  
 (1)通信経済モデル            (第14回)
 (2)交通経済モデル            (第15回)

【学習の方法】
・受講のあり方
この授業では、テキストおよび配布資料の講義後、コンピュータソフト(Excel中心)によるコンピュータ実習が中心となるが、実習内容についてのレポート提出後、提出レポート内容について、PowerPointを用いたプレゼンテーションを個人またはグループごとに行なってもらう。
・授業時間外学習へのアドバイス
すでに学んだミクロ経済学やマクロ経済学のテキストを事前に復習しておき、本講義で扱う「情報処理のテキスト」および「配布資料」をあらかじめ熟読しておくことが望ましい。

【成績の評価】
・基準
第一段階の到達目標としてミクロ・マクロ経済学の基本知識の確認、第二段階の到達目標として、理論モデルの構築・モデルの推定・政策シミュレーションの経済分析の流れを理解しているかをみる。「レポート」より評価する(「知識の習得及び理解の度合い」)。最終の到達目標として、具体的な社会現象についての解析を行ってもらい、各自のプレゼンテーション能力を「発表」及び「発表資料」から評価する(汎用的技能の習得度合い)。
・方法
成績評価の方法としては、「レポート」(80点)と「プレゼンテーション」(20点)とする。

【テキスト・参考書】
都市・地域経済学、通信・交通経済学の関連分野の資料を配布します。
1.浅利一郎他:『はじめよう経済学のための情報処理』,日本評論社,1999
2.浅利一郎他:『はじめよう経済学のためのMathematica』,日本評論社,1997

【その他】
・学生へのメッセージ
経済学の基本的な知識の復習を行うとともに、実践的な経済分析を磨くことは重要です。卒業研究のために配属される「経済系の研究室」でのより専門的な学習を行う上で、ぜひとも経済・マネージメントコースの学生は、とっていただくことをお勧めする。
・オフィス・アワー
火曜日12:00-13:00 火曜日14:30ー15:00

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