地域科学
 Regional Science
 担当教員:田北 俊昭(TAKITA Toshiaki)
 担当教員の所属:人文社会科学部 人文社会科学科 経済・マネジメントコース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
本講義では、現代社会を分析するための経済学の重要な分野のひとつである「都市・地域経済学」だけでなく、地理学・都市計画・土木計画学等の関連分野を含め学際的な「地域科学」を習得することが目的である。(経済系学会・大学教育研究で「地域科学」は、都市・地域経済・経済地理・都市地域計画の学際分野として認知されている)

【授業の到達目標】
本講義では、第一の到達目標として、都市・地域問題に対処するため、経済地理学、都市・地域経済学、都市・地域計画学の学際領域である「地域科学(Regional Science)」の考え方、都市・地域・国際システムを捉えるための「空間経済学(Spatial Economics)」の考え方の基礎力を養う。第二の到達目標としては、基礎力をつけたあとで、多種多様な都市・地域問題を分析するための能力を身に着ける。都市・農村の集積経済と土地利用、地域ブランド戦略、交通通信インフラ、観光といった国や地方行政の政策面を取り扱う。

【授業概要(キーワード)】
集積の経済・不経済、都市の成長、都市の空間構造、都市・地域・国際経済と立地構造、都市・地域政策、国際的な政策、交通・通信政策、観光政策、地域ブランド戦略

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
「地域科学(Regional Science)」に関する配布資料を用いて授業を進める。この授業の一部では、都市構造の形成メカニズムや都市の階層構造の形成メカニズムなどについて、一方的に説明するのではなく、受講生全体で考えるプロセスを大切にしたいと考えている。
・日程
第一部 地域科学および空間経済学の基礎  ※第1回は授業全体の概要を説明
1.1 都市の成長と空間構造
 1)都市の成長      2)都市と集積経済     (第2回)
 3)都市と交通整備    4)都市の内部構造モデル  (第3回)
 5)都市構造の形成(住宅・産業立地モデル)      (第4回)
 6)都市核 7)アーバンデザイン 8)新都市計画と設計(第5回)
1.2.都市群システム
 1)都市の階層性     2)都市地域と大都市地域  (第6回)
1.3 都市と農村システム
 1)都市・農村の集積経済 2)都市・農村の立地構造  (第7回)
 3)地域ブランド     4)観光地と農山村     (第8回)

第二部 都市・地域政策
2.1 土地利用政策  都市経済学と都市計画    
 1)土地利用計画     2)都市情報管理システム  (第9回)
2.2 交通政策    交通経済学と交通計画
 1)交通とは 2)交通の歴史 3)交通の分類      (第10回)
 4)都市交通が社会・経済・環境に及ぼす影響      (第11回)
 5)交通需要分析
 6)交通混雑の経済分析 7)道路整備効果の経済分析  (第12回)
2.3 情報通信政策  情報経済学と通信産業       
 1)情報とは 2)情報通信の歴史 3)通信の分類    (第13回)
 4)情報の非対称性・ゲーム論 5)情報通信政策と需要 (第14回)
2.4 観光政策と地域ブランド戦略           
 1)地域ブランドの経済学 2)地域ブランドと都市・地域・国際システム
                            (第15回)

【学習の方法】
・受講のあり方
講義用の「配布資料」および「関連文献」で説明される「専門用語」を完全に理解するとともに、実際の中央政府や地方政府の都市・地域経済政策についての理論的な面との整合性とその意図を理解するように努めることが重要である。
・授業時間外学習へのアドバイス
授業時間外について、地域社会への深い洞察力を身に着けるために実際にいろんな地域へ出かけて、実際に抱える問題について肌で感じることは重要である。つまり社会の諸問題ををしっかり理解しつつ、地域科学および空間経済学の基本的な考え方を応用するように日常的につとめていただきたい。

【成績の評価】
・基準
第一の到達目標として、都市の成長と空間構造、都市システム等の「都市・地域経済学」の理論面(「知識の習得及び理解の度合い」)、第二の到達目標として、都市政策、交通政策、情報通信政策等の「都市・地域政策」への実践面(「汎用的技能の習得度合い」)について評価します。主体的な参加については「都市・地域経済学や空間経済理論」に関するクイズ、「都市・地域政策コンペ」の評価をします。
・方法
地域科学および空間経済学の基礎的な知識(40%)および都市・地域問題の政策分析(40%)の試験を実施します。地域科学クイズや政策コンペ(20%)は授業での取り組みに対して評価します。

【テキスト・参考書】
配布資料をもとに講義する。

【その他】
・学生へのメッセージ
特に、国家・地方公務員、シンクタンク、地域計画コンサルタント、政府系金融機関等の都市・地域政策関連の就職を考えている学生は履修することを薦める。
・オフィス・アワー
火曜日12:00-13:00 14:30ー15:00

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