中小企業論(前期)
 Small Business
 担当教員:吉原 元子(YOSHIWARA Motoko)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科経済・マネジメントコース
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 中小企業がは規模が小さいがゆえに、中小企業は大企業とは異なる経営方針、戦略、働き方などの特徴があり、そのあり方は多様です。今日のソニーやアップルのように、小企業からスタートした企業が新産業を創出する可能性がある一方、経済環境の変化によって中小企業の課題が浮き彫りになっています。
 講義の目的は、①中小企業の二面性をふまえて、大企業と比較しながら中小企業の経営特性についての基礎的な知識を得ること、③製造業、商業・サービス業に分けて、それぞれの中小企業がおかれている環境と経営特性との関連について理解を深めること、③中小企業の創業から退出までのライフサイクルを理解することです。全体を通じて中小企業の可能性と問題についての広い視野をもつことが目的です。

【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は、
(1)中小企業の経営について、大企業と比較したときの相違点を指摘できる。(知識・理解)
(2)中小企業に関わるデータやグラフを読み解き、中小企業の特性を説明できる。(知識・理解)
(3)中小企業のライフサイクルを生じさせる多様な要因を列挙することができる。(知識・理解)
(4)身近な中小企業に関心を向けるとともに、中小企業に関する新聞記事などを興味深く読むことができる。(態度・習慣)

【授業概要(キーワード)】
中小企業経営、大企業との違い、起業、産業

【科目の位置付け】
カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントと配布資料を使って講義を行います。中小企業に対して具体的なイメージを持つために、映像資料等を参照することもあります。
・日程
1.オリエンテーション―中小企業の動向
2.中小企業の経営的特質―「小ささ」が意味すること
3.中小企業の存立分野
4.中小企業の資金調達―大企業との異質性
5.中小企業と人材―中小企業での働き方とは
6.中小企業の新事業創造
7.中小企業の創業と成長
8.中小企業の多様性
9.中小製造業の経営と課題
10.中小商業・サービス業と社会
11. 中小商業の課題―商店街問題
12.起業の実態とその担い手
13.企業家精神とベンチャー企業
14.中小企業の退出と廃業
15.まとめと試験

【学習の方法】
・受講のあり方
授業は講義を中心としますが、単に聴くだけでなくメモをとり、授業最後のミニレポートで議論すべき内容を考えながら、問題意識をもって授業にのぞんでください。
・授業時間外学習へのアドバイス
(予習のあり方)身近なところで中小企業とかかわる機会は多いので、よく観察しておくと講義への理解が深まります。
(復習のあり方)配布資料やノートを参考に、ミニレポートで出されたテーマにそって知識を再整理しておくといいでしょう。また、新聞やテレビにおいても頻繁に中小企業・ベンチャービジネスの特集が組まれていますので、定期的に目を通してください。

【成績の評価】
・基準
毎回実施するミニレポート(記述式)によって、主体的な参加度、知識の習得度、理解度、汎用的技能の修得度合いについて判定します。期末試験では、授業で得た知識を総合的に理解し、適切に説明できるかどうかを評価します。さらにミニレポートや試験で、授業外で得た中小企業に関する知識を活用したり、自分なりの問題意識を反映できたりしていれば、高く評価します。
・方法
期末試験(60%)、ミニレポート(40%)

【テキスト・参考書】
特定のテキストは使用せず、プリントを配布します。参考書は以下の通りです。中小企業庁編『中小企業白書』各年版(中小企業庁のウェブサイトから閲覧できます)、植田浩史他(2014)『中小企業論・ベンチャー企業論』有斐閣。

【その他】
・学生へのメッセージ
地域経済や地域を支える中小企業に対する見る目が変わり、身近に感じられるようになるでしょう。
・オフィス・アワー
木曜日10:30~12:00 吉原研究室 ※上記の時間以外でも在室時は質問などに対応します。

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