政治過程論(前期)
 Political Process (1st semester)
 担当教員:川村 一義(KAWAMURA Kazuyoshi)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科地域公共政策コース
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 政治制度は憲法や法律で定められる場合がほとんどなので,必ず理念を持ちます。それはその通りですが,利益をもたらすからこそ制度は定着するという前提を置くと,そうした理念は必ずしも崇高なものではないことに気付きます。
 また,政治制度は憲法や法律といった明確な根拠を持つとは限らず,個々人の頭の中に存在したりもします。にわかには理解し難いことですが,その結果,政治制度の隠れた機能が見えてきます。この隠れた機能を理解しないと,いつまでも無意味な政治制度に束縛されます。
 この授業では,最新の研究成果も踏まえながら,政治制度の本質について解説します。

【授業の到達目標】
 この授業の到達目標は,民主主義社会の責任の一端を担う将来に向け,政治制度が市民生活に及ぼす影響を理解した上で,政治制度の本当の機能を見抜き,将来への的確な予測もできるようになることです。

【授業概要(キーワード)】
新制度論/公式・非公式制度/合理的選択/歴史/文化

【科目の位置付け】
 カリキュラム・ポリシーとの関係については,「カリキュラムマップ」を参照し,よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
 解説はレジュメと板書によって進めます。もちろん質問は受け付けます。毎回,コメント票を配布します。
・日程
 概ね下記のトピックについて解説します。時事問題に大きく影響される科目なので,トピックの入れ替えを行う場合もあります。
(1)政治過程論とは (2)政治過程論の基礎知識 (3)権力論モデル (4)権力と権威 (5)制度とは何か (6)制度理解の3モデル (7)合理的選択制度論 (8)戦後日本の投票行動 (9)社会学的制度論 (10) 有権者はみな合理的なのか (11)歴史的制度論 (12)環境と歴史の重み (13)新制度論モデルで見る現代日本政治

【学習の方法】
・受講のあり方
 この授業では,重要な口頭説明をアドリブで行う可能性も高いです。形式にはこだわらないので,ノートは必ずとって下さい。
 なお,後期の履修を考えている方は,正確な理解のため,前期も履修しておくことをお勧めします。
・授業時間外学習へのアドバイス
 国や自治体の制度改革の動きはメディア等で頻繁に報じられますが,その後どうなったかわからないものも多数に上ります。その背後の実情を推測してみることが,何よりのトレーニングとなります。

【成績の評価】
・基準
 知識の修得および理解の度合いを期末試験で,汎用的技能の修得の度合いをレポートで,主体的な参加の度合いをコメント票で評価します。基準は,①制度の意味を正しく理解しているか,②概念や理論,モデルを現実に応用できているか,③時事問題に深い関心を寄せているかの3点です。
・方法
 期末試験(70点満点)は,用語や概念の説明問題と応用問題で構成されます。レポート(30点満点)作成においては,時事問題に深い関心を寄せることが必要です。レポートの指針は,あらかじめ説明します。
 なお,積極的にコメント票を提出した受講者については,主体的な参加の度合いに応じ,最終段階で加点の対象とします。

【テキスト・参考書】
 前期の内容は多岐にわたりますので,そもそもテキストを指定できません。
 ただし,下記の文献は主な参考書として役立つと思います。
●加藤秀治郎『政治学入門』(第3版)芦書房,2011年;定価2,808円

【その他】
・学生へのメッセージ
 不明な点は必ず質問して下さい。
 出欠はとりませんが,欠席分についてはノートを借りて手当てするなど,リスクはきちんと負って下さい。
・オフィス・アワー
 水曜日 12時30分~14時00分 川村研究室
 それ以外では,事前予約の上,適宜調整します。

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