公共政策学(前期)
 Policy Studies(1st semester)
 担当教員:川村 一義(KAWAMURA Kazuyoshi)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科地域公共政策コース
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 公共政策学は,1960年代から認知され始めた歴史の浅い分野です。そもそも「学問」と呼べるのかという議論もあり,公共政策「論」として開講する大学もあります。ただ,その考え方には大いに役立つ部分もあり,理解すると,現実の政策を批判的・建設的に検討できるようになります。
 前期は,公共政策とは何かという初歩的論点に始まり,その妥当性を検討するためのアプローチを順次見ていくという形で,公共政策学の基礎部分について学びます。

【授業の到達目標】
 この授業の到達目標は,受講者が以下の2点の能力を獲得することです。
(a)公共政策学における概念や理論,応用例などを正しく説明できる
(b) 現実の政策について、何が問題なのか、それをどのように修正しなければならないかといった点に気付けるようになる

【授業概要(キーワード)】
民主主義/資源の有限性/合理性

【科目の位置付け】
 カリキュラム・ポリシーとの関係については,「カリキュラムマップ」を参照し,よく理解したうえで履修してください。

【授業計画】
・授業の方法
 解説はレジュメと板書によって進めます。もちろん質問は受け付けます。毎回,コメント票を配布します。
・日程
●概ね下記のトピックについて解説します。トピックの入れ替えを行うこともあります。
(1)「公共」の「政策」とは (2)公共政策「学」の成り立ち (3)政策とは何か (4)公共政策のチェックポイント (5)目標とは何か (6)政策形成過程総論 (7)知識の使い方 (8)アジェンダとは何か (9)アジェンダの選別 (10)仮説 (11)第3種過誤 (12)合理性の原則 (13)三つのE (14)能率性
●4年次以上の受講者は,読み替えに注意して下さい。

【学習の方法】
・受講のあり方
 一見すると難解に思える専門用語や概念なども,意味自体は難しくない場合がほとんどです。むしろ,それらが現実でどう活かされているかが重要なので,解説の内容を理解し,暗記ではなくイメージとして定着させ,的確に用いられるようにして下さい。
 なお,後期の履修を考えている方は,正確な理解のため,前期も履修しておくことをお勧めします。
・授業時間外学習へのアドバイス
 体系がないに等しく,予習の不可能な分野なので,復習を中心に据えて下さい。

【成績の評価】
・基準
 知識の修得および理解の度合いを期末試験で,汎用的技能の修得の度合いをレポートで,主体的な参加の度合いをコメント票で評価します。基準は,①公共政策の難しさの要因を正しく理解しているか,②幅広い事例への応用がきくか,③理性的かつ論理的に主張を展開できるかの3点です。
・方法
 期末試験(70点満点)は応用問題が中心となり,授業時に解説する事例をどの程度正確に理解しているかが決定的となります。同じく,レポート(30点満点)作成においては,時事問題に深い関心を寄せることが必要です。レポートの指針は,あらかじめ説明します。
 なお,積極的にコメント票を提出した受講者については,主体的な参加の度合いに応じ,最終段階で加点の対象とします。

【テキスト・参考書】
 非常に難解なので,授業内容を理解してから参照して下さい。
●秋吉貴雄・伊藤修一郎・北山俊哉『公共政策学の基礎』(新版)有斐閣,2015年,定価2,808円
 むしろ参考書の方が重要なので,各回に紹介します。

【その他】
・学生へのメッセージ
 不明な点は必ず質問して下さい。
 出欠はとりませんが,欠席分についてはノートを借りて手当てするなど,リスクはきちんと負って下さい。
・オフィス・アワー
 水曜日 12時30分~14時00分 川村研究室
 それ以外では,事前予約の上,適宜調整します。

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